中央支援学校の生徒で、ダウン症の剣士として市で初めて初段審査に合格した 浜口 純(まこと)さん 向陽町在住 17歳
「挑戦心」で切り開く未来
○…「一生懸命、頑張れるから楽しい」。小学1年から剣道を始め、このほど初段審査に合格した。ダウン症の剣士としては市剣道連盟初。週2回の稽古では、誰よりも早く道場に訪れ練習に励む。模範とも言えるその姿勢は、支部長に太鼓判を押されるほど。次なる目標に「2段合格」を掲げ、共に鍛錬を積む父親と汗を流す。「父に勝ちたい」と闘志がみなぎる。
〇…何事も自ら進んで挑戦してきた幼少期。保育園で剣道に初めて触れたときも、障害児の中でただ一人、「防具を着けたい」と手を伸ばした。道具の重みと身に着けたときの嬉しさを、今でも鮮明に覚えている。その好奇心は小学生になっても変わらず、校内の音楽発表会では、児童代表の演奏者6人に抜擢されたことも。周りの人に褒められると嬉しくなり、「人前に出るのが好きになった」。剣道の稽古場でもリーダーを務め、雑巾がけの号令や終始のあいさつを担当する。今では剣道歴11年目の先輩として、年下の子どもたちの面倒を見る立場にもなった。顧問の指導法を手本にするが、「注意の仕方まで真似しちゃう」と照れ笑い。
〇…ピアノにプール、英語、スケート、ヨット、ダンス…。毎日のスケジュールは「やりたいこと」でびっしりだ。そんな忙しい日々も楽しいのは、目標があるから。スケートではC級に合格し「次はB級」と意気込む。大好きなピアノはコンサートで演奏するのが夢。そんな少年の憧れの人は、「嵐の大野智君」。シャキッとした風貌を理想に、「大野君のようなリーダーになりたい」と力を込める。
〇…支援学校では職業生活を学ぶため環境整備班に所属し、掃除に精を出している。これまでモップとほうきの2つで掃除検定を取得。老人ホームを訪れて車いすの清掃を手掛ければ、「お礼をしてもらえると嬉しい」と働く喜びを実感する。来年は社会人の仲間入り。挑戦心を胸に、未来へ大きく羽ばたいていく。
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