相模原から世界へ―。
上溝中学校に通う片野柚斗さん(2年)がこのほど要件を満たし、来年1月からプロのウェイクボード選手として活動することとなった。同競技のプロ選手は市内で初めてで、神奈川県下でも18歳以下で初という。
ウェイクボードはアメリカ発祥のウォータースポーツ。湖などの水上で船に繋いだボードに乗り、船が起こした波を利用してジャンプや回転などの技を披露、その完成度を競う。
片野さんが競技を始めたのは小学4年の頃、ウェイクボードを楽しむ父・英司さんの姿に憧れを抱いたのが契機。その後めきめき力をつけると、実力者も数多く参加した昨秋の全日本選手権で優勝し頭角を現した。今回、5月から開催されたアマチュアツアーに参戦した片野さんは、全4戦の総合ポイントでプロの条件である上位3位以内に入り昇格を決めた。片野さんは「目標としていたので嬉しかった。ただあくまでも通過点なので、気持ちを引き締めたい」と話す。
精神面乗り越え最終戦でV
晴れてプロとなった片野さんだが、アマツアーでは苦戦を強いられた。初戦と2戦目は緊張から本来の力を出せず、ともに結果は4位と不本意な成績に。3戦目前には、体幹の強さなどを鍛えるために続けていた柔道で手首を骨折した。「ポイントを稼がなければいけない中で、モチベーションを維持するのが大変だった」。だが、「怪我の功名」とでも言うべきか、3戦目は気持ちを楽に臨もうと吹っ切れたことで精神面の不安を払拭。片手で滑走するハンデを負いながらも4位に入ると、ツアー最終戦では高難度の技が面白いように決まり、見事に優勝を果たした。片野さんは「何よりウェイクボードを楽しめたことが一番良かった」とツアーを振り返った。
「もっと競技を盛り上げたい」
片野さんは12月中旬から始まるタイでの合宿に参加。来年5月からはプロツアーに参戦する。そして今後は「ケーブルウェイクボード」(ケーブルで牽引)の練習も取り入れ、二刀流で、海外進出を視野に活動していく予定だ。「次の目標は世界ナンバーワン。もっとウェイクボードを盛り上げて、知名度が上がるように頑張って活躍していきたい」。14歳の少年が、相模原から世界の頂きへと滑走する。
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