神奈川県教育委員会(以下県教委)はこのほど、県立高校の部活動について週休2日を基本とする方針を打ち出した。県教委では他の制度との調整が整い次第、各校へ通知し今年4月以降に適用させる予定。
部活動のあり方については全国的に見直しが進められている。スポーツ庁では昨年5月から有識者を交えた検討会を設け、運動部の活動に関するガイドラインの作成に着手。2月23日に開かれた検討会では中学の部活動で平日、土日1日ずつ休みを設ける案を、義務教育外の高校にも原則適用させる方針を明かした。
一方で、県教委では昨年4月から公立高校の部活動のあり方を検討。部活動の実態について調べた調査では公立高校のうち、休日(土・日曜)に休養日を設けていない部活が全体の36%にのぼっていた。昨年12月に設置された「県立学校教員の働き方改革にかかわる懇親会」でも部活動の見直しについて議論が交わされた。
県教委は懇親会の議論などを踏まえ「教員の負担軽減と生徒の健康維持、学業とのバランスの良い活動」を重視し、運動部、文化部問わず週休2日を基本とする方針を決定した。大会やコンクール前は練習頻度が増えることを踏まえ、年間計画の中でまとめて休日を取ることも認める。「教員負担の軽減」の目的で、県内10校に部活動への外部アシスタントを配置することも併せて決定した。なお、部活動1日の活動時間については言及されていない。
今回の方針について、今後大きな焦点となるのが実効性の担保。県教委では「制度が形骸化しないよう、ある程度の強制力が必要。具体的なところは現在検討している」とした。今年4月以降に今回の方針が適用された場合、県教委は期間を定めて効果を検証し、必要があれば修正を加えていく。県立高校以外の私立高校などについては県の私学振興課や高等学校体育連盟などを通じ、同じ制度の適用へ協力を仰いでいく予定。
県教委の担当課では「部活動のあり方に一石を投じることで『学校教育』とは何か考える機会になれば」と方針の意義を話した。
「自主性」求める声も
今回の方針を受け、教員の長時間勤務の是正や生徒の学業両立への期待が高まる一方、県下の高校からは否定的な意見も上がっており、市内の高校も画一的な内容に疑問を投げかけている。市内の県立高校でバレー部の顧問を務める教員は「本校はスポーツに力を入れており、生徒には日々部活動を頑張れと言っている中で残念」と話した。
同じく野球部の顧問を務める教員は「部活動に力を入れたくて高校を選んで来ている生徒がたくさんいる。部活動ごとに担当教員が学業との両立や身体への負担を考え、適宜、休養を設けているはず。そんな中で一律に制度化するのはどうなのか」とし、制度へ懐疑的な見方を示した。
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