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【連載】町に届け、当事者の声【3】(全4回) 「一見『普通』に見える。それが怖い」 取材協力:市内NPO法人Action

社会

公開:2018年3月15日

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 高齢者や障害者、LGBT、生活困窮家庭など社会的にサポートが必要な人々の居場所づくりや支援を実際に当事者であるメンバーらが行う「NPO法人Action」。今回は、ADHDの当事者である石原淳郎さん(32)に話を聞いた。


 ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは、「うっかりミスが多い」などの不注意症状と「じっとしていられない」などの多動性・衝動性症状が見られる発達障害の一つ。症状は人それぞれだが、石原さんは忘れ物が多く、物の整理やメモを取るのが苦手だ。現在は言語聴覚士の資格取得のため、専門学校に通いながら同法人の活動に参加している。

 石原さんがADHDだとわかったのは3年前。勤め先で社員の給与管理を任されていたが、計算ミスや払い間違いなどを繰り返し、周囲から見放されたことで精神的に追い込まれ、うつ状態になっていた時のこと。知人の勧めで診察を受けた際にADHDの二次障害によるうつだと診断された。

 他の人がすぐにできるようになっていることが、自分にはできない。「何でできないんだろう」。そう思うことが多々ある。「努力不足だと言われればそうかもしれない」とするも、石原さんは「それだけじゃない」と強調する。大学受験に失敗し、二浪目を迎えた時。マンツーマンで受験勉強を見てもらうようになると、見る見ると実力をつけ早稲田大学合格を成し遂げた。新卒で企業に入社した時も最初の配属先ではミスを繰り返し、上司に厳しく当たられたが、転勤先では石原さんの特性を踏まえ指導してくれる上司によって営業成績を伸ばし、社内でも評判を上げた。「自分に合った環境で、周囲に理解してもらうことで状況は変わる」

 ADHDをはじめとする発達障害の当事者は、一見「普通」に見られる。その症状に対して「だらしない」「失礼なやつ」という印象が先行することも少なくない。「それが怖い」。「車いすの人や知的障害の人が羨ましく見えることがある」というのが本音だ。

 社会生活では、様々な場面で人より時間がかかることが多い。周囲が自分の言動に対してイライラしていることもわかる。しかし本人はどうすることもできず、パニックになってしまう。そこからうつになってしまう人も多い。そんな悪循環を断ち切るためにも石原さんは「何度も同じことを確認するかもしれないけれど、教えてほしい。ペンがなくて困っていたら、貸してくれるだけで良い。それだけで良いんです」。石原さんは、同法人で自分の特性を理解し、能力にあった仕事を任せてくれる高津大輔代表に出会ったことで、居場所を見つけた。今後は、自分と同じ境遇の人がありのままの自分でいられる相手となり、それぞれに合った居場所を見つける手伝いができればと考えている。
 

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