相模原市は新型コロナウイルスの影響に伴う休校を契機に、家庭への食事支援のためキッチンカーを利用した「移動式子ども食堂」を5月24日に初めて実施し、弁当の配布を行った。
相模原ケータリング協会と市社会福祉協議会に委託し実現したもの。市内の小中学校は6月1日から生徒数を減らした分散登校を行っているが、市の担当課は「給食が再開する6月中旬以降も定期的に実施していきたい」と話している。
市によると、市内には33のボランティア・民間事業主による「子ども食堂」があるが、現在はコロナの影響で25カ所が一時閉鎖し、8軒が弁当の配布などで対応している。そうした中、外出自粛で在宅での食事に困っている家庭への支援のため、市は初めて移動式子ども食堂事業に乗り出した。出来立ての美味しい食事を届けるノウハウに長けた、市内を中心に約40の事業者から成る「相模原ケータリング協会」と、子どもの健やかな居場所づくりを推進する市社会福祉協議会に協力を依頼。市のホームページなどで日時を事前告知し、同協会会員がキッチンカーで弁当を用意、子どもに無料で配る方式を採った。
5月24日は、緑区中野にある津久井総合事務所駐車場で実施。限定100食の「ガパオライス弁当」(18歳未満は無料、保護者は500円)は30分ほどで完配した。やってきた家族からは「助かる」「ありがたい」、「お母さんの作る料理と違った感じだから楽しみ」という声が上がった。
キッチンカーで需要に対応
初回の実施場所が津久井地区だったのは、現在の子ども食堂の所在地に関係している。市内33の子ども食堂のうち、中央区14カ所、南区15カ所に比べて、緑区は4カ所(橋本地区2、大沢地区1、津久井地区1)と少ない。同事業を担当する市こども・若者支援課担当者は「緑区は食堂数が少なく手薄な分、この移動式でカバーできるようにしたい。給食や子ども食堂が再開した後も、緑区に限らず市内全域で実施していければ」と話している。市ではこの移動式子ども食堂を「地域主体の子どもの居場所づくり」の一環として捉えており、家庭の経済状況に関係なく、子どもをもつ家庭なら誰でも利用可能としている。
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