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笑顔集まる「地域の居場所」 田名公民館の子ども食堂

コミュニティ文化

公開:2020年9月10日

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仲良くカレーをほおばる慶政くんと檀李ちゃん
仲良くカレーをほおばる慶政くんと檀李ちゃん

 田名公民館で開催されている子ども食堂「みんなよっといで!たな食堂」が、昨年のプレオープンからこのほど1周年を迎えた。市社会福祉協議会の助成を受けながら地域のボランティア約15人で運営。開催日の毎月第2・第4木曜日には地元野菜を使った手づくりの料理が振る舞われ、訪れる人を笑顔にしている。

 地域の貧困問題や孤食を無くすため、誰でも安心して食事できる居場所を提供する目的で始まった同食堂。材料はフードバンクを利用してそろえるほか、野菜はほとんど地元農家や家庭菜園、田名地区社協が高齢者や障害者と取り組む、田名ふれあい農園「田名畑の会」からの寄付で賄っている。田畑が多い同地区ならではの食材が楽しめるメニューが毎回並ぶ。

地域が子ども育てる

 代表の田村美智代さんは、交通指導員として小学校に勤めていた頃から「いつか子ども食堂をやってみたい」と考えていた。立ち上げのきっかけは田村さんの長女の出産。育児ノイローゼで食事が作れなくなった長女を見て、「早く始めなくちゃ」と行動に移した。それから約1年、市社協との打ち合わせや他地区の子ども食堂の視察を重ね、開業に至った。

 名称に「子ども」を入れず「みんなよっといで!」としたのは、幅広い年代の地域の人に来てもらいたいと考えたためだ。田村さんは視察の際、1人で食堂を訪れる高齢者の姿を見て「子どものための居場所と思っていたので驚いたけど、地域の人たちが子どもを見守る役割も兼ねている。たな食堂もそんな場所にしたい」と、思いを込めて名付けた。

 開業当初、田村さんを含め3人だったメンバーも、現在は市のボランティア登録制度などを通して増えていった。運営する上で最も大事にしているのは「地域で子どもたちを育てること」。「アフリカのことわざ『こども一人が育つには、ひとつの村が必要だ』のように、地域が連携して子どもを見守っていきたい」と田村さんは精力を傾ける。

「コロナ禍こそ食堂を」

 順調に運営を進め、地域にも浸透してきていたが、新型コロナの影響で公民館が閉鎖。休業せざるを得ない期間が続き、やりきれない思いを抱いていたが、「今こそ地域の居場所づくりが必要だ」と、6月の開館に併せて再開。手洗い・消毒の徹底や、テーブルに人数制限を設け密集を避けるなどの対策、テイクアウトの要望にも応えようと準備し、万全の体制を整えて食事を提供した。

 通常は午後5時から夕食を提供しているが、学校の夏休み期間は開始時間を正午にし、初のランチ提供を実施。8月には夏野菜カレーを求めて多くの親子が訪れた。

 中川檀李(まゆり)ちゃん(6)は「カレーがおいしかった」と話すと、一緒に訪れた篠崎慶政くん(7)は「友達とご飯を食べられてうれしい」とつられて笑顔に。初めて利用したという5人兄弟の母で田名在住の中川李沙さんは「コロナで気軽に外食できない分、子どもたちも食堂に来られてうれしいと思う。これからも利用したい」と話す。

 「ぜひ食堂に来て地域の人たちとご飯を食べてほしい。これからも田名に食という形で携わっていきたい」と田村さん。笑顔あふれる食事の提供と温かな居場所づくりを通して、子どもたちを、そして地域の人々を見守り続ける。
 

同食堂代表の田村さん(下段中央)とボランティアメンバー
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