「けん玉先生」の資格を生かし、精神保健福祉の普及をめざす 山田 龍さん 上矢部在住 51歳
けん玉で地域とつながる
○…精神障害者が通う事業所「地域活動支援センター第3けやき」(由野台)の施設長を務める傍ら、けん玉の指導者の資格「けん玉先生」としての顔を持つ。一昨年から2年連続でNHK紅白歌合戦の「けん玉リレー」に出場しギネス記録の達成に貢献したほか、昨年開催された世界大会では50代男性の部で準優勝を収めるなど輝かしい成績を残した。
○…けん玉に初めて触れたのは小学生の時。童謡「うさぎとかめ」に合わせて球を皿にのせる遊びに熱中したが、サッカーや演劇に打ち込むようになり、次第にけん玉とは縁遠くなった。「再会」の契機となったのは5年前。スクールソーシャルワーカーとして勤務していた学校に寄付された玩具の中にけん玉を見つけた。「いいコミュニケーションツールになる」と思い立ち、教室で子どもたちと一緒に遊んだり、不登校の子の家庭訪問で技を披露して場を盛り上げるなど活用の幅を広げている。
○…昨年の緊急事態宣言から、地域交流を目的に事業所で開催しているけん玉教室は中止に。コロナ禍で対面がはばかられる今、力を入れているのはSNSでの動画配信。技を撮影した短い動画をインスタグラムで毎日投稿し、評判だ。
○…「まだまだ精神保健福祉について知られていない。けん玉を足掛かりに自分たちのことを知ってもらいたい」と力強く訴える。そのためにけん玉を持って地域に出向き、精神保健福祉士や事業所の存在を、特技を生かして住民らにアピールすべく奮闘し続ける。「精神障害者が暮らしやすい地域をつくりたい」。その思いを胸に、これからも自身が称する「けん玉ソーシャルワーカー」としてつながりの輪を創出し、美技で人々を笑顔にしていく。
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