区内田名の花ヶ谷戸(はながやと)地区に広がる当麻遺跡第3地点の発掘調査現場が5月14日、一般向けに公開され約200人が訪れた。主催は相模原市教育委員会と調査を担当している株式会社玉川文化財研究所。
同遺跡第3地点は国道129号の建設のため1973年に初めて発掘調査された。96年の第3次調査までに竪穴住居跡135軒などが発見されており、環状に広がる集落の様子が明らかになっている。
土地区画整理のため昨年4月から始まり来年3月31日(予定)まで実施される第4次では環状集落の東側部分にあたる約1万8000平方メートルを調査。縄文時代の地層まで発掘が進み、新たに竪穴住居跡51軒などの遺構や遺物が見つかったことから今回、一般公開する運びとなった。
当日は調査員が調査状況や特徴的な住居跡を解説。直径9mで市内最大の竪穴住居跡の構造のほか、外周に何重にも溝がめぐらされている住居があり、何世代かにわたって建て替えられて使用し続けられたことなどが説明されると、見学者は真剣に耳を傾けていた。
発掘された資料が並んだテントでは特にカエルの顔に似た釣手土器が話題に。破損せず「完全な状態」で発見された釣手土器は内側にすすが残っている事から、調査員によると「中に火を入れるなどランプとして使われていたのではないか」と推測されている。
緑区から訪れた女性は「その時代の生活を想像できた。間近で遺跡を見られる機会に感動した」と笑顔で話した。
出土した資料は「市民の財産」として市教育委員会が管理。今後は旧石器時代の調査などが進められる。文化財保護課の中川真人さんは「旧石器時代の調査後にも市民の皆さまに現場を見ていただく機会を作りたい」と話している。
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