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さがみはら中央区 社会

公開日:2022.07.14

緑区のサッカークラブ
空き家を学生活躍の場に

  • 事業の展望を語る有山さん=7月5日

 同世代の学生が自分たちの学びを実践するための場を創出するとともに、地域の活性化につなげようと、緑区橋本地域で活動する若者らが、空き家を活用した新しい事業に取り組んでいる。





 事業を行うのは、橋本を中心に活動する社会人サッカークラブ「Saltista橋本FC」。地元出身の選手らが立ち上げ昨年11月から本格的に始動したチームで、在籍メンバーの多くは現役の大学生だ。空き家事業は同クラブの活動の一つとして展開。副代表の有山蒔恩(じおん)さん(20)=早稲田大学3年=がその中心的な役割を担っている。





 有山さんは緑区橋本台出身で市内の小・中学、高校を卒業。現在も地元で活動する。「大学に入ったがコロナ禍で活動を制限される時間が多く、何かしなくてはという強い気持ちがあった」と有山さん。ふと周囲を見回すとさまざまな分野で勉学に勤しむ学生がいた。「彼らを巻き込んで一つの組織にしては」





 そんな時、幼少期からのサッカー仲間からクラブ発足の話を受けた。有山さんは選手としてではなくスタッフとして運営に携わることに。そこで、チームの事業として学生の学びを実践する場をつくる活動を始めた。





 当初はチームの会計やウェブサイトの構築などを学生に任せていたが、サッカー以外の分野にも幅を広げたいと考えた。そこで目をつけたのが少子化や人口減などの影響で増加が社会問題となっている空き家だった。





コワーキングスペースを





 地域にある空き家を借りて学生の手で改修する。同時に若者のコミュニティーの場として地域活性化もねらう。「事業者の力も借りることはあるが基本的に設計なら建築系、内装ならデザイン系の学生に手がけてもらい将来に向けた経験にしてほしい」。学生にとっては普段模型などでイメージしていることを実践できることから、現時点で事業への参加を希望する声が届いているという。最終的に学生専用のコワーキングスペース(さまざまな異なる職業や仕事を持つ人たちが共同で働く空間)をつくることを目標に、5月末に事業を開始。市にも協力を呼びかけている。





 目下空き家を募集中。物件は最寄り駅から徒歩20分以内で15坪以上、学生による改修に応じてくれることが条件。「学生は経験が得られ、家主さんは改修費などのコストを抑えられる。空き家問題解決の一助にもなれば」と有山さんは話す。





 大学生の身での事業展開に周囲の冷ややかな目がないわけではない。しかし、「魅力と実現の可能性を感じている。空き家が見つかり次第、スピード感をもってやっていく」と有山さんはきっぱり。現在はチームスポンサーを通じ、不動産業者などに声がけしたりチラシを配布したりして周知を図っているという。





 空き家事業の問い合わせは有山さん【携帯電話】080・5035・5256。

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