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さがみはら中央区 文化

公開日:2022.10.13

田名地区在住 薄波輝雄さん
水道道を花でいっぱいに

  • グループが整備した緑道(上)。整備されていない道に出ると下の写真のように荒れてしまっている

  • 世話人代表の薄波さん

 市域では南区上鶴間から中央区田名に延びる「横浜水道道緑道」。このうち、田名新宿付近200mの花や草木を整備している薄波輝雄さん(73)は、「地域の中で誰でも遠慮なく訪れることのできる場所を作りたかった」と活動のきっかけを話す。

 新潟県出身の薄波さんは就職を機に相模原へ。市内の自動車ディーラーの営業マンを65歳まで勤め上げた。「現役の時、地元のお客さんには本当にお世話になった。今度は自分が相模原で恩返しを」と、地域貢献に携わることを決心。市が開催する「さがみはら地域づくり大学」を1期生として受講し自治会運営や地域活動について学んだ。

 自治会長なども経験する中で薄波さんは、地域住民の孤立を防ぎたいと考えるように。最初は空き家などを活用したコミュニティづくりを検討していたが、持続可能性などを考慮した上で水道道の荒れた植栽に着目した。新宿内の水道道は背丈まで伸びてしまった雑草やごみなどの不法投棄が目立ち、通行人は少なかったという。「こんなに良いスペースがあるのに有効活用しないのはもったいない」。薄波さんは水道道を人が行き交い集う場所にしたいと考え、趣味だったガーデニングの知識を生かしながら整備することを決めた。市公園課の許可を得て活動をスタートさせたのは昨年3月。草木を選定して手入れし、季節にあった花を植え始めると次第に通行人から声をかけられるようになった。「時々花苗を提供しに来てくれる人もいて、本当にうれしいね。新宿に住んでいて出身地が同じ人に2人も出会えたし」と新たな交流を喜ぶ。

 現在は仲間も増え、ボランティアグループ「新宿花の散歩みち」として整備を続けている。目標は1・4Kmほどある付近の水道道を春夏秋冬いつでも花が咲く人気スポットにすること。ただ花を植えるだけの美化ではなく、その先の交流やコミュニティ形成、新たな話題が生まれる場所となるよう、これからも活動を続けていく。「ここに来れば誰かがいる。そう安心できるような場所にできたら」。活動や場所についての問い合わせは薄波さん【電話】090・1808・2931。

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