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さがみはら中央区 教育

公開日:2023.05.11

上溝公民館
幻の相武電気鉄道を学習
青井月さん招き

  • 相武電気鉄道の看板を手にする青井さん㊨と佐藤さん=提供

 上溝の歴史を調査、記録する市民団体「上溝を学ぶ会」と上溝公民館は4月21日、中央区さくら文学賞の大賞を受賞した青井月さん(=人物風土記)や相武電気鉄道の関係者を招き、相武電気鉄道に関する懇話会を同公民館で開催した。

 相武電気鉄道は、大正後期に東京都心部と神奈川県中央部を結ぶ構想があった鉄道。横浜線淵野辺駅を起点とし、上溝、田名四谷地区を経て、相模川左岸の久所(現在の水郷田名)を結ぶ区間は1925年敷設免許が認可されていた。しかし、資金に行き詰まり工事は中断。開業に至らなかった幻の路線だ。

 上溝とも深い縁があり、同公民館の根岸利昌館長は「上溝や田名地区の青年が、まちの発展に貢献しようと取り組んだ事業だったが、昭和恐慌や戦争の泥沼化で物資が戦費に回り、鉄道を敷く資材不足や労働者が徴兵されていった悲しい背景がある」と説明する。

 青井さんは星が丘地区在住。曽祖母が上溝の出身ということもあり、上溝の学ぶ会のメンバーでもある豊島直樹さんが作成している鉄道に関するホームページの資料に興味を持ち、調べているうちに小説の空想が広がるようになった。その後、上溝地区にある浅間神社や妙見橋などを実際に見学し、主人公の会話などのイメージが湧いてきたという。

 懇談会には、上溝出身で同鉄道の最後の社長となった人物を祖父に持つ佐藤和夫さんも参加。佐藤さんは、敷設工事の図面や会社名が書かれた看板を持参し、鉄道の歴史を説明した。青井さんは「相武電気鉄道とゆかりがあり、詳しい方とお会いできて有意義な時間になった」と話した。根岸館長は「この地域にこうした歴史があったということを勉強することは素晴らしいこと。まちづくりの一環として同鉄道に関する催しを企画していきたい。その際には、青井さんにもお越しいただければ」と話した。

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