さがみはら中央区 人物風土記
公開日:2025.10.09
第25回フォトシティさがみはら2025でさがみはら江成常夫賞を受賞した
亀山 仁さん
南区南台在住 58歳
巡ってきた今を写す
○…2019年から24年までのミャンマーや周辺地域の人々の暮らしにカメラを向け、写真集に収めた。21年の国軍によるクーデター以降の国内の情勢を伝えることで「平和を考える記録」を残している。撮影と並行して、支援団体を立ち上げ活動も行う。母国を背に逃げてきた子どもや若者たちの未来を作るために、離れた場所から尽力し続ける。
○…ミャンマーを初めて訪れたのは05年。写真家に誘われた撮影ツアーだった。「モンゴルに行くツアーもあり悩んでいたら定員に達してたので、ミャンマーに行くことを決めた」。カメラマン人生のテーマとなる国との出会いはそんな偶然がきっかけだった。25回ほど現地を訪れた中で感じた最大の魅力は「人」。ファインダー越しに「表情や目の輝きから、人としての存在感」を強く感じる。「苦しい日々をもがきながら、必死に生きている姿が現れている」
○…カメラを持ち始めたのは30歳を過ぎたころ。それまではバドミントンに打ち込んでいた。写真の基礎は自宅近くのカルチャースクールで学び、モノクロ撮影も習得した。ミャンマーで帯同した写真家に言われた「来たバスに乗りなさい」という言葉をよく覚えている。今思えば、スクールでの学びやミャンマーを訪れたこと、出会いなど「『あの時行ってよかった』が今につながっている」
○…江成常夫賞を受賞し「『写真家としてちゃんとやっていけよ』と言われた気がする」。次の構想は定まっていないが、国内に安心して入れるようになるまで支援を続け、できる範囲の撮影をする。「自由に写真が撮れる、現地の友達と気兼ねなく会える日まで」カメラを持ち続けるきっかけになった国への感謝を込めて活動する。
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