さがみはら中央区 人物風土記
公開日:2026.01.29
相模原市美術協会会員展のメイン作品を描いた
續橋 仁子さん
横山在住 91歳
内面世界を形にする
○…素朴な街並みを背景に子どもたちが軽やかに舞う作品「トルコ(カッパドギア)の旅から、躍進」は、国立西洋美術館にも展示された実績がある。高校教員時代にダンス部顧問として接してきた子どもたちを思い出しながら描いた。「心の財産を持った人間的に潤いのある子に育ち、ホップステップと躍進してほしいという思いを込め、いっぱい大ジャンプさせた」とのびやかに語る。
○…絵を始めたのは50歳の頃。ダンス部の演出で照明の3色の光を混ぜてさまざまな色を生み出したり、踊り手の動きを組み立てたりする過程には絵画に通じるものがあった。舞台空間を一瞬一瞬切り取って演出イメージを帳面に描く作業は、いつしか本格的な創作活動に発展していた。「気付いたときには絵の中にとっぷり浸かっていた」
○…作品のインスピレーションを得るため海外旅行に行くことも。「非衛生的で、未開発で、土臭いところに行くとうずく。戦争を被り疎開した苦労があるから」。そうして得たイメージを、色・リズム・空間の構成を通して自分なりに造形することに価値を感じる。「心にある素朴な原点を絵筆を通して形にしたい。思いを真っすぐキャンバスに映せたらうれしいし、オリジナルの表現に共鳴してもらえたらすごく幸せ」
○…絵を始めて40年経つが、新しい視点を日々摂取し、思考と歩みを止めない。発展著しいAIについて「表現の一つなんだろうけど、本当に芸術なのか悩んでる。時代に乗ることができていないのかもしれないけど…。でも、心はAIじゃ表せないと思う」と言う。若干の迷いの裏に、踊り手として、画家としての人生に裏打ちされた確信をにじませた。
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