さがみはら中央区 社会
公開日:2025.11.06
車椅子の日々 設計に反映
相陽建設・加瀬さん
事故で脊髄損傷
相陽建設株式会社(緑区西橋本)で建築士として注文住宅と外構の設計に携わる加瀬賢治さんは、車椅子ユーザーだ。2013年、不慮の事故で脊髄を損傷し、下半身や腕の指などが動かなくなった。身体の自由を失うという大きな試練を経験しながらも、いまはその経験を糧に、バリアフリー設計の住宅提案に力を注いでいる。
「万が一、体が不自由になった際、一般的な住宅は住みにくい環境の場合が多い」と加瀬さんは言う。わかりやすいのが段差だが、幅も重要だそう。車いすの幅はおよそ70cmで、車椅子で生活をするには通常の住宅の1・2倍ほどのスペースが必要とされている。直進はできても曲がることは困難という。また、住宅だけでなく家に入るまでの外構もバリアフリーにすることが求められる。「家を建てるときに、生活上の障壁(バリア)を取り除いた設計にする必要はありませんが、柔軟に対応できるプランにすることが大切です」
「もっとバリアフリーに」
日常生活において、道路のわずかな段差で転倒しケガを負ったこともあり、飲食店などは入店できる場所も限られるという。「住宅だけでなく、店舗ももっとバリアフリーになってほしい」と願う。「同じ立場の人の気持ちは、きっと自分もわかると思います。バリアフリー住宅について悩んでいる方は、ぜひ相談してほしいですね」。自身の経験を設計に生かし、誰もが暮らしやすい住環境を目指す加瀬さん。その提案には、生活者としての実感と優しさが込められている。
同社では既存住宅をバリアフリー化するリノベーション工事も請け負っている。
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