さがみはら中央区 社会
公開日:2025.11.13
防災士1千人、生かせるか
市自治連が豊橋市視察
防災に関する知識や技能を持つ「防災士」は相模原市内に1070人いる(2025年10月末時点)。「実際に避難所で協力してくれるのか」といった懸念があるのが実情だが、地域の自主防災力を高める上で力を秘めている。防災士の育成・活用方法を模索する相模原市自治会連合会は10月7日、先進的な取り組みを行う愛知県豊橋市へ視察に赴いた。
防災士は阪神・淡路大震災を教訓に生まれた民間資格。災害時の生存率を高める地域防災力の向上を活動の目的としており、2003年の第1号認証以降、25年10月末までに全国で33万人以上が資格を取得している。市内には1千人以上の有資格者がいるが、地域資源としての活用の余地は多分にあるのが現状だ。
市が連携可能な防災士は、13年から18年までの間に独自に養成した「防災マイスター」の200人。年に1回以上のスキルアップ研修が実施されている。地域住民から防災講座の依頼があった際には講師として派遣され、年間50件ほどの実績があるという。
市自治会連合会の大木惠会長は防災士やマイスターの現状について、防災知識の地域での共有の面で意義があるとしつつ、「数が少ないし、資格を生かしていない人が多い。災害が起きたときに本当に避難所に来て協力してくれるのか」と懸念を口にする。
豊橋市では
こうした中、同連合会は防災士の育成に力を入れている愛知県豊橋市を10月に視察した。
豊橋市では相模原市の「防災マイスター」に類似の「防災リーダー」を15年以上養成しており、その数は今年4月時点で1330人。10代の登録者も11人存在する。学校区単位で実施している地域の防災訓練の企画・運営に防災リーダーが主体的に関わっており、有事の際にリーダーシップを発揮する基盤づくりを進めている。
視察に参加した同連合会の理事の一人は「豊橋市防災リーダーと相模原市防災マイスターには大きな意識の差が感じられる」と話す。
パイプづくりが重要
防災士当人は資格取得の意義や活用についてどのように考えているのか。相模原市の防災マイスターの一人、松田康輔さん(36)は7年ほど前に資格を取得した。勤務先の介護施設で資格が生かされているという。同じ職場で働く職員は「(災害時の利用者の健康管理計画を作る際に)松田さんを頼りにしている。地域の防災訓練には職員を巻き込んで参加させてくれている」と話す。
一方、防災マイスターの活用における課題について松田さんは「マイスターに講師依頼ができることを積極的に広報したほうがいい」と言う。発災時には一定程度の貢献はできそうだとしつつ、資格を持っているだけでなく日頃から「近隣住民とパイプを作ることが求められる」とも話した。
市自治会連合会は今後、視察を踏まえた提言を市危機管理局に提出する予定だという。
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