さがみはら中央区 トップニュース社会
公開日:2026.01.15
障害児の通学送迎
保護者の就労に影響
市は支援に向けモデル事業
障害児の数や共働き世帯が全国的に増える中、障害児の学校への送迎が保護者の就労に影響している家庭が少なくない。相模原市は送迎をヘルパーに通年で依頼できるモデル事業を中央区内で実施するなど、保護者を支える仕組みづくりを模索している。
見えにくい障害も診断されるようになったことなどの影響で相模原市内の障害児の数は年々増加しており、2025年4月1日時点の身体・知的障害児は3110人。障害がある子どもは通学に支援が必要な場合が多く、市内で発達支援(療育)を受けている小中学生のうち72%が保護者の付き添いのもと通学しているという調査もある。保護者たちは送迎のために勤務時間の調整や就労の断念を余儀なくされている。
こうした課題を訴える声はこれまでも市に寄せられていたが、既存の制度では急病のときなど短期間に限った通学支援しかできなかったため、市は通年で支援する体制の構築に向けて25年7月からモデル事業を開始した。内容は通学の付き添いを市に登録された事業者に依頼できるというもので、自己負担額は1割。利用時間の上限は月40時間。
通学支援制度を持つ自治体はまだ少なく、共同通信の調査によると全国82の政令・中核市のうち35%の29市にとどまる(25年7〜8月時点)。
利用者3人
市によるとモデル事業の利用者は12月末時点で3人。制度をより活用しやすいものにするため、今後は保護者へのヒアリングなど関係者との一層の連携が求められる他、朝早い登校時間にヘルパーを派遣できる事業者の確保など、課題の整理、対応が必要となる。
市は2026年度もモデル事業を継続し、今後の動きを見極めていく方針。担当者は「通学の送迎と通勤時間が重なっている保護者の方など、家庭と仕事の両立に悩んでいる方に利用いただきたい」と呼び掛ける。
2月にフォーラム
障害児の保護者が感じている課題の共有や通学支援事業の全市展開への機運醸成のため、市は2月6日(金)、「障がい児の通学支援を考えるフォーラム」を開催する。保護者・学校・事業者の立場から発表がある。
会場は相模原市民会館で、午後6時から7時30分まで。定員先着80人。申し込みは市コールセンター【電話】042・770・7777へ。問い合わせは市高齢・障害者支援課【電話】042・769・8355へ。
保護者の声 喜びと「ズレ」
相模原市は昨年7月、障害児の通学支援に関するモデル事業を中央区内で開始した。保護者からは喜びの声とともに当事者の状況により即した制度への修正を望む意見がある。
発達障害のある子どもとその家族の支援を行う市内の団体「NPO法人ぴあっと」の五十嵐舞子代表理事は、「(通学支援事業が)やっとできた」と笑顔を見せる。SNSで制度を紹介した際には、保護者たちからの期待度の高さを感じたという。一方で当事者から見ると、モデル事業の制度設計には課題もあるという。
現状、市のモデル事業で対象となる知的障害の区分は「A1・A2」の重度なケース。比較的軽度の知的障害のある子どもは制度を利用できない。五十嵐代表理事は「軽度の障害のある子のほうが地域の学校の支援学級に通っていることが多いと思う。区分を広げる必要がある。行政と情報を共有したい」と話す。
また、市のモデル事業は就労等で保護者が送迎できない場合を対象としているが、就労をせずに毎日通学に付き添っている保護者にも支援が必要な場面がある。同法人の杉山千恵理事は「一番心配なのは親が急に熱を出したときのこと。当日に突発的にヘルパーを頼めたら安心感があって本当にありがたい」と言う。
「見方が変わる」
障害児の通学を巡る問題を、当事者でない人はどのように受け止めればよいのか。杉山理事は「知ってもらえるだけで『見方』が変わる。『あんなに大きな子どもに付き添っているのは過保護すぎじゃない?』といった目を向けられる場合もあるが、地域の方に理解が広まるとうれしい」と話した。
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