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公開日:2026.10.08

緑区大島 古清水の大人神輿が建立200年 途絶えた巡行 再興目指す

  • 神輿の前で棟札を持つ山口さん

    神輿の前で棟札を持つ山口さん

  • 1940年代の浜降り(写真提供/山口さん)

    1940年代の浜降り(写真提供/山口さん)

 緑区大島の古清水八坂神社に伝わる大人神輿が今年、建立200年を迎える。文政9年(1826年)と記された棟札が残る神輿で、長きにわたって担がれることなく祀られていたが、昨年から軽トラックで地域を巡る取り組みが始まった。10月17日(土)の祭典でも巡行を予定している。

 棟札は、今年の総代長を務める山口幸男さん(71)が2012年に神輿の内部から発見。神輿にまつわる信仰や祭祀の歴史が記されており、市立博物館の調査でも、こうした資料の存在は極めて貴重とされている。

「浜降り」の伝承

 古清水では、かつて神輿を相模川に入れる祭礼「浜降り(川入り)」が行われていた。由来をめぐっては、上大島の諏訪明神から流された神輿を古清水で受け取ったとする説や、現在も青山神社で行われている串川への「お浜降り」など近隣地域に残る風習との関連性が考えられている。しかし、次第に廃れ、1950年代を境に巡行自体が行われなくなった。

 約50年前に数年ほど神輿を担いだ時期があったが、その後の祭典では神輿を清めて神社に戻すことが中心となった。当時、大学進学で千葉県にいた山口さんは、実際に神輿が担がれる姿を見たことがなかったという。

盗難被害経て再び地域に

 山口さんは棟札の発見を機に地域の祭りや神輿に関わるようになった。「せっかく長い歴史のあるものだから、何とかもう一度盛り上げたい」。15年には神輿の扉の彫刻が盗まれる被害に遭い、「あの時はガックリした」と振り返る。それでも、神輿を再び地域に出したいという思いは強まった。

 「神輿はオブジェじゃない」。昨年は神輿を磨き、軽トラックを用いて巡行を実現させた。それまで関係者以外が見に来ることはほとんどなかったが、巡行の日には沿道の玄関先で待つ住民の姿が見られ、後から追いかけてくる人もいた。「今まで祀られた状態しか見たことがなかった」という声も多く、地域住民から関心が集まった。

 今年は建立から200年の節目。記念ののぼり旗を掲げるほか、巡行路に花を飾るなどして祭典当日を迎える。担い手の確保や神輿の修理など課題も残る中、地域では、かつて行われていた浜降りの復活も見据える。山口さんは「次の200年に向け、歴史をつないでいきたい」と話している。

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