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公開日:2024.01.01

相模福祉村新春恒例対談
福祉施設「あるべき姿」求め
赤間源太郎理事長×裏木隆さん(日比野設計)

  • 厚木市にある日比野設計で対談する裏木さん(左)と赤間理事長

    厚木市にある日比野設計で対談する裏木さん(左)と赤間理事長

  • 縁JOYとともに神奈川建築コンクールで入賞した児童発達支援センター「青い鳥」(2016年)

    縁JOYとともに神奈川建築コンクールで入賞した児童発達支援センター「青い鳥」(2016年)

  • 裏木さんが携わった相模福祉村の特別養護老人ホーム「縁JOY」(2006年)

    裏木さんが携わった相模福祉村の特別養護老人ホーム「縁JOY」(2006年)

  • 福祉施設「あるべき姿」求め (写真4)

  • 日比野設計の裏木さん

    日比野設計の裏木さん

  • 相模福祉村の赤間理事長

    相模福祉村の赤間理事長

  • 福祉施設「あるべき姿」求め (写真7)

 昨年創立40周年を迎えた、社会福祉法人相模福祉村(中央区田名)は今年、「新たなスタート」として複数の施設の建て替えに取り掛かる。その建設を任されているのが厚木市にある設計事務所「株式会社日比野設計」。これまでも同法人の施設設計を手掛けており、担当する裏木隆さんは、赤間源太郎理事長と15年来の親交になる。年頭にあたり、福祉施設に携わる2人にその「あるべき姿」などを聞いた。

24年 複数建て替え

ショック 環境変えたい

―裏木さんはどうして建設の道を歩むようになったのですか

 裏木「私は和歌山県の生まれで、高校で建築学科に進みました。なぜか?『面白そうだなあ』と思ったからですかね(笑)。ただ、実際勉強しだすと本当に面白くて。卒業して就職をする際、同郷の先輩が神奈川で設計事務所をしていると聞き、そこで働かせていただくことになりました。それが日比野設計です。かれこれ30年、お世話になっています」

―現在は会社内の「福祉施設研究所」の所長でもある

 裏木「入社したての頃はマンションなど一般の設計も請け負っておりました。あるとき、高齢者施設の仕事が入り、実際に現場を見に行きました。なかなか普段接点のない施設で私も初めて伺いましたが『何かさびしい』印象を受け、それはショックでもありました。そこから『この環境を変えていきたい』と思うようになり、会社として人(利用者)の生活、暮らしを尊重したものを造っていこうと2005年に『福祉施設研究所』ができました」

本当に暮らしたいか

―少子高齢化の背景もあり、ニーズは高いですよね

 裏木「これまで入所施設ですと50物件以上を担当してきました。最近はSNSを見て共感していただき、声をかけてもらうことも増えています」

―ところで福祉村、赤間さんとはどのようにしてお知り合いになられたのですか

 赤間「ちょうどその福祉施設研究所がスタートした頃、私は新しく特別養護老人ホームの計画を進めていました。初めてのことでしたので不安もあり、地元の社福の理事長に『どこかしっかりやってくれるところはないか』と紹介をお願いしました。それが日比野設計さんでした」

 裏木「赤間さんは『新しいことをやっていきたい』と熱心でした。『高齢者の方にとってはそこが終の住処になるかもしれない。本当にここで暮らしたいと思ってもらえるか』と。我々も福祉の環境を変えていきたい思いが強く、その点は合致しました」

 赤間「あれから15年ほど経ち、業界ではそういった考えの方が増えてきています。良い傾向ではないかと思いますね」

課題 かつては反対も

―お二方とも福祉に携わる中で、現在「課題」と感じることはなんですか

 裏木「赤間さんの所の施設もそうですが、1990年前後に建てられたところは今、建て替えの必要に迫られています。躯体の寿命という問題もありますが、やはり30、40年前とは仕様や価値観、そして法律も変わっています。ですので、建て替えの話を多くいただきますが、やはり昨今の物価高、原材料高の影響で資金面でのやりくりが難しく実現にいたらないケースもありました」

 赤間「そうですね。建て替えるには、『仮の施設』となる新しい建物を建てる場所が必要です。我々施主の立場の場合、その土地の取得に大変苦労をします。先代(赤間一之さん)が40年前に福祉施設をつくるときは周辺で『反対』の声が聞かれました。今でこそそのような考え方にあわなくなりましたが、土地はその人の財産ですので、OKをいただくのは至難の業でもあります」

―地域の方との信頼関係が大事ですね

 赤間「はい。だからというわけではありませんが、相模福祉村では『地域とのつながり』を大切にしています。施設は『開かれた場所』であるべきとも考えており、その思いは先代から引き継いだもので、先代は障がい者施設に『塀をつくらない』などの取り組みをしました。今は各施設、イベント等で積極的に地域の皆様と交流を育むようにしています」

 裏木「大阪でかかわった特養は施設内にカフェを設けました。かなり本気に取り組んでいて、一般の人の利用者がとても多かったです。当然施設の利用者の方もカフェに訪れるのですが、その方々にとってはそうやって外部の人と接することが『適度な刺激』になるようで『介護度が下がる』という効果もあったそうです。地域とのつながりはとても大切です」

全国でも他にない

―福祉村の施設について裏木さんはこれまで特別養護老人ホームの縁(えん)JOY(じょい)、児童発達支援センターの青い鳥(いずれも中央区田名)などを手掛けてきました

 裏木「縁JOYのときは赤間さんも私も『初めて』の部分があり、比較的『手探り』で進めた感じがあります。より家庭的な施設をめざしました。赤間さんは新しい発想が得意な方で結果、ジャグジーや岩盤浴を設けました(笑)。『その人の暮らし優先』という考えです。私がたずさわった全国の施設でもあそこまで追求したところはありません」

―青い鳥についてはいかがでしょうか

 赤間「デザインが素晴らしく、あの建物を見て『ここで働きたい』と入った新卒の子もいましたよ」

 裏木「それはうれしいですね。青い鳥はその用途から健常な子は利用できません。そのような中、赤間さんからいただいたオーダーは、『ごめん、君たち(健常な子)は入れないんだ』と、断らないといけないくらい『行きたくなる、入りたくなる』場所でした。逆に利用者の子は『(施設を)自慢できる』ように」

働きやすさ追求も

―そして今年、たんぽぽの家、柴胡苑(特別養護老人ホーム・中央区田名)、虹の家(障がい者支援施設・南区下溝)と3つの施設の建て替え事業が始まります

 赤間「たんぽぽの家と柴胡苑は現在、同じ敷地内にあり、今回の事業では『ひとつの建物』に集約します。7月に設計ができあがり秋から着工。工期は2年程度を見込んでいて、2026年度中にできあがれば良いなと考えています」

 裏木「設計にあたり先日、施設で1日、利用者さんと職員さんの動きを観察しました。利用者の方はもちろんですが、職員の方にとって『働きやすい場所』であってほしいので、その視点も大事にしたい部分です」

 赤間「その上で、やはり地域とのつながりも引き続き大切にしたい。周辺の人が、ふらっと立ち寄ってもらえるような施設にできれば。それが福祉施設のあるべき姿のひとつだと。施設を拠点に地域のネットワークを強化することで地域の福祉が充実し、それが『住みやすいまち』でもあるのだと考えます」

 裏木「赤間さんのような取り組みが広がり、全国で同じような考え、施設が増えていったらいいですね」

―では新しい施設を楽しみにし、今後のさらなるご活躍を期待しています。本日はありがとうございました。(2023年12月6日取材)

支援いただいている皆様へ...相模福祉村は今年、たんぽぽの家、柴胡苑、虹の家と3つの施設の建て替えに入ります。一方、建設業界においては原材料費の高騰があり、各社大変経営が厳しい状況でもあります。そのため相模福祉村では法人の取り組みに理解をいただき、支援いただいている皆様から寄付をお願いしております。寄付金は施設の建設費にあてさせていただきます。詳細は下記の連絡先まで問い合わせください。

相模福祉村

神奈川県相模原市中央区田名6769番地

TEL:042-761-7788

https://fukushimura.or.jp/

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