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さがみはら南区 人物風土記

公開日:2024.02.29

10周年を迎えたNPO法人車椅子の会サイレントフットの会長を務める
佐藤 利章さん
南区在住 59歳

足音立て、力強く前へ

 ○…和製英語で『静かな足』。「未来に向け足音を立てて進み、社会に知ってもらいたい」。名前にそんな思いを込めた。自身も40歳で車椅子に。「車椅子利用者が住みやすい社会に」と団体を設立。BBQ大会やサッカーJ2チームの試合に障害者、子どもを招待する企画などを行ってきた。「助けてもらうばかりではなく、僕らも社会にとけ込む勇気が必要。両者の『待ち合わせ場所』になれたら」。

 ○…山形県で生まれ、小学生のときに東京へ。中高時代はリーゼントに長ランで「やんちゃ」も。中学からの付き合いである妻によると「人に優しく真っすぐな性格」とのこと。高校中退後、食品会社などで営業を経験し会社を起業。39歳で中古車会社の取締役に就き、これからというときに脊髄梗塞を発症した。『あなたの足は2度と動かない』と医者から言われたとき「さすった足の感覚がなかったことを今も覚えている」と語る。

 ○…孫2人の祖父でもある。「責任感の方が強くて孫に対しても厳しくなっちゃう」と苦笑い。近所に住む娘家族は頻繁に訪れ「明るくて楽しい」と笑顔をみせる。子ども好きで小中学校への講話も力を入れる。伝えるのは「障害者に何かしようと考えなくていい。目の前にいる人を大切にしよう」。真意は「思いやりが『癖』づく人が増えれば、未来で救われることになる」と語る。

 ○…「活動できるのは支えてくれる家族とスタッフのおかげ」と感謝を口にする。2年前、就労継続支援B型事業所を開所。利用者がリモートワークを選べるなど、環境を整える。自身が活動した当時より「社会は良くなっている」としながら「でもまだまだ未熟。だからこそもっといい街にしたい」と力強く前を見据える。

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