「うれしくて驚いた」と笑顔を見せたのは、常務取締役の井上理恵さんと、営業部のデザイナー花城未和さん。「これを機にさらに力を入れていきたい」と口を揃えた。
「廃材」で何かできないか、3〜4年ほど前から考えていたという井上さん。まず、今まで「組む」だった紐やゴムを「織る」ことを考え、イスの「座面」づくりに挑戦した。ゴムや紐の材質はさまざま。「織る」に慣れないゴムは「本当に大変で」と振り返る。
約1年半の試行錯誤を重ね、昨年1月に「チェア」が完成。座面は約40cm幅の裂織りの織り機を使い、イスの枠組みは市内で角紙管段ボールを扱う日本化工機材(株)に依頼した。座面づくりは、もともと工場で働いていた元気な高齢者を中心に声を掛け、製作が進められた。花城さんが入社したのはこの頃。花城さんが加わったことでプロジェクトにも勢いが増した。現在は廃材を「編む」、商品の製作に取り組んでいる。今後は障害のある人にも製作をお願いする予定だ。
花城さんは「2030年には廃棄される紐を半分にしたい」、井上さんは「若い世代の人にもつなげていきたいです」とそれぞれ笑顔で語った。
取組概要 自社で年間1万6千km生産する紐のうち廃棄される112kmを「津久井の組みひも」の産地である地域の高齢者や身体の不自由な方々の手で商品化し販売する取り組み。商品は鳥居原ふれあいの館で販売中。商品および賛同施設の拡大を目指し日々進行中。
評価のポイント シビックプライド醸成のきっかけづくりにつながり、相模原らしい循環型社会の取り組みであり、健康予防や活躍の場の提供など工夫しながら地域を巻き込んで実施している点は複数のゴールにつながる取組であると評価された。
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