さがみはら南区 教育
公開日:2026.05.20
相模原市が注力するネットリテラシー教育 「危ないから禁止」ではなく「上手に使える力を」
この春、新社会人によるSNSへの情報漏洩が相次いだ。日テレ系番組の制作協力会社では新入りのスタッフが局内書類をInstagramに投稿し、川崎市でも新規採用職員が研修資料を流出させた。こうした事態を受け、情報リテラシー教育の在り方があらためて問われている。
30年以上前から続く情報教育の歩み
相模原市教育委員会・教育DX推進課の指導主事、木原智裕さんによると、市の情報教育の歴史は長く、ネットリテラシー教育にも力を入れてきたという。30年以上前のパソコンルーム導入を皮切りに、2009年からは「ネットパトロールだより」を発行。17年頃にはGIGAスクール構想に先立ちプログラミング教育に着手。25年には市の組織改編の一環として「教育DX推進課」が創設された。
同課は情報教育・情報モラルにとどまらず、教育環境やネットワーク基盤の整備など、教育DX全般に関わる業務を担っている。
年間51クラスの出前授業
同課では小中学校への出前授業「情報モラル教室」を実施している。25年度は小学校13校・中学校4校、計51クラス、児童生徒2982人が授業を受けた。26年度は5月18日時点で小学校6校・中学校5校・義務教育学校1校の計12校、27クラスが予定されている。
この出前授業を担当する一人である木原さんは元教員で、SNSからフェイク画像、生成AIまで、新しいテーマに合わせて教材を更新し続けている。「危険だから使うな、ではなく、上手に活用して危険を自ら回避できるようにすることが大切です」
横山小学校の教室から
5月、市立横山小学校では、5年生を対象にした情報モラル授業が行われた。この日教壇に立った木原さんは、まず闇バイトや詐欺メールなどのケースを例に挙げ、「道徳と情報の仕組みはセット」という前提を伝えるところから始めた。伝言ゲームで情報が歪んで伝わる体験をさせ、AIが生成したフェイク画像を見て「本物かどうか疑う力」を養う。LINEの文字だけのやり取りが感情を誤解させる場面や、動画の背景から住所が特定されるリスクも扱った。架空の記事をChatGPTが「有名な事件ですね」と肯定するデモも交え、情報をうのみにしない姿勢を体験的に学ばせた。
5年1組担任の菊田百花教諭は「事前に危険性やトラブルの事例を聞いておくことで、何かあった時に相談しやすくなる」と話す。実際、保護者からはグループLINEの「外し・外され」や深夜までのやり取り、写真の無断加工・投稿といった相談が相当数あるという。「正しく受け取り、正しく発信する。この子たちの世代では、それがとても重要だと思います」
授業を受けた児童も、それぞれの受け止め方を話してくれた。料屋かんなさんはキッズ用スマホを持っているが、SNSは使っていない。家族との連絡専用にしており、これまでトラブルに巻き込まれたことはないという。中島美織さんは授業中に取りあげられた架空の記事を「信じてしまった。自分自身、危なっかしいと思い、気を付けなくては、と思った」と話した。
「一人でも立ち止まるきっかけになれば」
「やって救われたかどうかは目に見えません。でも、一人でも立ち止まるきっかけになれば」と木原さんは話す。同課では今後も出前授業を続けていく予定だ。
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