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公開日:2025.07.24

SC相模原
天皇杯でJ1川崎を撃破
激闘制し初のベスト16

  • 勝利の瞬間まで選手を鼓舞し続けたサガミスタ(ファン・サポーター)たち

 サッカーJ3・SC相模原は7月16日、Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu(川崎市)で天皇杯3回戦に挑み、J1の川崎フロンターレを0―0(PK3―1)で下した。過去天皇杯で2度優勝、今季のアジアチャンピオンズリーグエリート(ACLE)準優勝の強豪相手に、PK戦にもつれ込む死闘を制しての大金星。海老名市内でのスタジアム整備計画を巡り複雑な状況にある中、水色に染まるスタジアムの一角から声援を送り続けたサガミスタの思いに初の「ベスト16」という結果で応えた。

堅守光る

 1回戦で水戸、2回戦で磐田と2つのJ2クラブを破った勢いそのまま、クラブ初の3回戦に挑んだ。週末のリーグ戦から中3日、スタメンは6人を入れ替えた。序盤から川崎にボールを保持される展開が続いたが、高い集中力で得点を許さず、ボール奪取時には速い攻撃で相手ゴールに迫った。0―0のまま迎えた延長戦でも最後まで執念を見せ、川崎の猛攻をしのぎ切った。PK戦ではGKバウマン選手の高い技術と、キッカーを指名したシュタルフ悠紀リヒャルト監督の采配が光った。

リーグ戦は14位

 現在、SC相模原はJ3リーグで14位。今季は優勝、J2昇格を目標に掲げて始動したものの、勝ち点を思うように積み重ねられていない。

 試合後、シュタルフ監督は「選手たちが『フロンターレに勝つんだ』というミッションに徹し、シナリオ通りの前後半を戦ってくれた。誇りに思っている。リーグ戦で苦しい戦いが続いているので、少しでもサガミスタが喜んでくれる結果が出せてよかった」と総括。その上で、リーグ戦の状況を踏まえ「勝った時に歌う『ファミリア』は家族という意味。今日は大切な家族と勝利の喜びを分かち合えて本当に最高だった。この喜びをまた分かち合うために、苦しいリーグ戦も一緒に戦ってほしい。こんなに大きいスタジアムでこんなに相手サポーターが多くても、我々のチャントは耳に入るし選手にも届いている。今日はみんなの力がうまく組み合わさっての勝利。またみんなで勝利を目指しましょう」と呼びかけた。

 キャプテンのMF島川俊郎選手は「内容は褒められたもんじゃない。けど、勝ったことがすべて」と安堵した表情を見せたものの、「(リーグ戦は)結果が出ていないので難しいが、誰も諦めていない。カップ戦の勝利は自信につながる。最後まで諦めずに戦い続ける」と先を見据えた。

* * *

 チームは直後の20日、アウェイで栃木SCとリーグ戦を戦い、2―1で辛勝。天皇杯で掴んだ自信を結果で示した。次のリーグ戦は7月26日(土)、ホームで宮崎と対戦する。天皇杯4回戦(ラウンド16)は8月6日(水)に行われる予定。

 SC相模原は元サッカー日本代表の望月重良さんが2008年に神奈川県社会人リーグ3部のクラブとして創設。14年にJリーグに参入し、23年に(株)ディー・エヌ・エーの連結子会社となった。現在は相模原市に加え、海老名市、座間市、綾瀬市、愛川町をホームタウンとしている。J2ライセンス交付に向けて6月30日、海老名市内を候補地とする新スタジアム整備計画をJリーグに提出した。

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