さがみはら南区 経済
公開日:2026.09.06
相模原市が「楽天」幹部から楽天流組織づくりを学ぶ 創業時メンバー小林正忠氏が登壇
離職、精神不調課題
相模原市は8月17日、職員の離職やメンタル不調、働き方に対する価値観の多様化などの課題を受け、楽天グループの経営幹部を招いた座談会を開いた。会場の市立産業会館に市の局長・区長、部長ら30人弱が集まり、「持続可能な組織」の実現に向けて意見を交わした。
登壇したのは、楽天グループ株式会社常務執行役員の小林正忠氏。小林氏は1997年の楽天創業時から参画したメンバーの一人で、現在は「Group CCuO(チーフ・カルチャー・オフィサー)」として、グループ内で共有する価値観や行動様式の形成・浸透を担っている。
楽天は1997年、インターネット・ショッピングモール「楽天市場」の運営から事業を開始。その後、M&Aや新規参入を通じて証券、銀行、カード、モバイルなどへ事業領域を広げ、現在は約3万人の従業員を擁する国内有数のIT企業グループに成長した。30年足らずで、暮らしに関わる多様なサービスを結ぶ「楽天経済圏(エコシステム)」を形成してきた。市は今回、楽天の成長を支えてきた要素の一つとして、企業内で共有される価値観や考え方、行動様式を意味する「コーポレートカルチャー」に着目した。
共通文化が必要
市では、政令指定都市への移行に伴う組織の拡大や職員構成の変化に加え、近年は民間企業からの転職者も増えているという。約8000人の職員が多様な価値観を持つ一方、各部署がそれぞれの施策を進める中で、組織が縦割りになりやすいという課題もある。市の担当者は「もっと同じ方向を向いていけるような『共通の文化』を育てたい」とし、小林氏に登壇を依頼した。
管理でなく共感
座談会は2時間にわたった。小林氏は、【1】管理職から「なぜ働くのか」「何を大切にしているか」を自己開示する、【2】理念は一度伝えて終わらせず、朝会や1on1(1対1の対話)で繰り返し共有する、【3】「仲間・時間・空間」に余白をつくる――など、楽天で実践してきた取り組みを紹介。「管理するマネジメントから、共感してもらうマネジメントへ」と、転換の必要性を説いた。また、「幸せでない人が、他人を幸せにすることは難しい」と述べ、市民の幸せには、まず職員、そして管理職自身が幸せであることが大切だと強調。互いの価値観や働く意味を対話で共有し、誰もが安心して自分の考えを話せる職場文化を、日常の仕組みとして育てるよう呼び掛けた。市人材育成課の担当者は、今後について「職員一人一人の多様な価値観を尊重しながら、働きがいをより実感できる組織・環境づくりに取り組んでいきたい」と話した。
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