県立相模湖漕艇場(与瀬)のボートコース改修工事がこのほど完了し、従来の1000mから2000mへと距離が延長した。同漕艇場が2020年東京オリンピック・パラリンピックでカナダボートチームの事前キャンプ地に決まったことから、地元の要望などにより実現したもの。世界の主流である2000mコースの会場が近隣には少なく、「全国規模の大会が誘致できるほか、世界を目指す大学や実業団の合宿の利用なども増え、地域振興につながる」と関係者は期待する。
相模湖漕艇場は、1955年に行われた「第10 回神奈川国体」の漕艇競技会場として開場。64年の東京オリンピックではカヌー競技の会場として使用された。98年の「かながわ・ゆめ国体」の漕艇競技会場となった際に再整備が行われ、94年に管理棟・艇庫が、97年に国体用の1000mコースがそれぞれ完成している。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの事前キャンプ地の誘致が成功し、昨年1月、カナダボートチームが相模湖を事前キャンプ地とすることが決まった。さらに、パラリンピック日本代表チームが相模湖で事前合宿を行うことになったことから、県は2000mへコース距離を延長することを決定。昨年9月から改修工事を行っていた。
日本ボート協会は、同協会が定めるコース規格規定に基づき、国際大会を開催できる「A級コース」、国内全国規模大会を開催する「B級コース」、地域大会レベルを開催する「C級コース」と3階級に分けてコース認定をしている。現在、相模湖漕艇場はC級コースの認定を受けている。
今回の改修では、1000mから2000mにコースを延ばすため、スタート位置は変わらないものの、コースの向きを変え、ゴール位置を変更。それに伴い、高さ約5mの決勝審判員席、同6mの発艇員席、同1・5mの線審員席、同3mの中間判定員席を新たに設置した。この改修で県は、同ボート協会にB級コースを申請している。認定されれば、全国規模の大会も開催できるようになるという。
さらに、ボート競技の世界での大会は、1000mが多い国内と違い、ほとんどが2000mで行われている。2000mコースは関東近隣に極めて少ないため、今後は大会の開催ばかりでなく、首都圏から1時間以内と交通の便が良いことからも大学や実業団など、世界の舞台を目指す選手たちの合宿や練習の舞台に利用されることが想定され、地域振興に一役買うことが期待されている。県は、「今後、多くの方に様々な形で相模湖漕艇場を利用していただけるよう取り組んでいきたい」と話している。
さがみはら緑区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|