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公開日:2024.01.25
『首や腰の痛み』知って得する脊髄脊椎のお話
その35 頸椎の偽痛風発作について
痛風は手足の関節に尿酸結晶が沈着して関節炎を引き起こす病気ですが、偽痛風は比較的大きな関節にピロリン酸カルシウム結晶(CPPD)が溜まって生じる急性関節炎です。頸椎の関節に蓄積すると頸椎偽痛風発作を引き起こしますが、第一・第二頸椎間の関節炎(環軸関節炎)として高齢者に時々見られます。
70代以降の高齢者において軽微な外力を契機に運動障害(回旋制限)を伴った急性の強い後頚部痛を発症し、38度以上の発熱や血液検査でCRPや白血球増加などの急性炎症反応が見られます。診断にはCT検査が必要ですが、65歳以上の高齢者のCT画像では約10%に環椎横靭帯へのCPPD沈着が見られ、多くは無症状のため感染症との鑑別が重要です。脊椎変形のある高齢者(女性)の発症が多く、変性疾患や骨粗鬆症を含む代謝疾患との関連が推測されていますが、原因や発症頻度・機序は十分には分かっていません。
消炎鎮痛剤やステロイドの内服、頚椎カラーによる局所安静で1〜2週間以内に多くは治癒しますが、再発することがあります。
次回の「知って得する脊髄脊椎のお話」については2月22日に掲載する予定です。
■取材・協力
八王子脊椎外科クリニック/東京都八王子市万町173の1
【電話】042・655・5566
【アクセス】JR八王子駅南口からタクシー3分、『京王バス』万町1丁目下車、『神奈中バス』万町2丁目下車
八王子脊椎外科クリニック
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