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城山観光協会 シイタケ栽培を事業化へ 観光振興の新たな一手に

社会

公開:2025年4月17日

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シイタケを手にする中野会長
シイタケを手にする中野会長

 城山観光協会(中野秀人会長)は、シイタケ栽培の事業化へ向け準備を進めている。ゆくゆくは城山で栽培したシイタケをブランド化し、観光の起爆剤にしたい狙いがある。中野会長は「今秋には本格的に販売ができるように準備を進めていきたい」と意気込む。

 きっかけはコロナ禍だった。イベントが軒並み中止に追いやられる中、城山でブランドとなるようなものを思い浮かべると少ないことに気付いた。「梅ほ乃香(本沢梅園の梅を使ったジュース)はあるけど、そのくらいしかない。これから作らなきゃいけないと感じた」と中野会長は振り返る。そして、観光協会の部会として「明日の城山を考える会」を立ち上げ、商工会、学生、大学教授など地域に関わるさまざまなメンバーに入ってもらい議論を重ねた。「城山の魅力と課題とは」「自然を活用した事業はできないか」など検討を進める中で、意見の1つに出たのがシイタケ栽培だった。

城山産をブランド化

 シイタケは菌床栽培のため、ほかの農作物よりも実現性が高いと判断。さらに菌床は2〜3回の再利用ができ、その後はカブトムシの餌としても使うことができる。事業化を検討していた時に河内椎茸園の河内雅幸さんと出会い、話がより具体的に進んでいった。

 現在は東京都の瑞穂町でシイタケ園を営む河内さんは、4年前まで鳥屋でシイタケ栽培をしていた。城山周辺で栽培できる場所を探していたこともあり、「土地を使ってほしい」という耕作放棄地の地主との間に観光協会が入り、同園と地主との間で賃貸契約が交わされた。

 敷地は一反ほど。最初は敷地内に1つのハウスを設置し、栽培を始めるという計画。栽培は河内椎茸園が行い、そこで採れたシイタケをブランド化し販売。利益の一部を観光協会が得るしくみ。城山自然の家やイベント、市内の観光拠点、スーパーなどで販売する青写真を描く。

 現在は、ブランド化に先立ち河内椎茸園で栽培されたシイタケを城山観光協会推奨品として、津久井湖さくらまつりなどのイベントで販売している。「このシイタケは、大きく肉厚で、試食してもらうと大体の方に買っていただける。市民桜まつりでも、2日間とも早々に完売した」と品質に自信を持つ。

 今後は農業委員会に関係書類を提出予定で、最終的な許可を得てから正式に始動する。「5〜6月頃にはブランド名を決めて、試作品から売り出していきたい」と意気揚々の中野会長。シイタケの栽培が軌道に乗れば、ハウスを増設し生産量を上げ、「もぎ取りやバーベキューもできるようにしたいね」と話す。

収益を運転資金に

 城山観光協会では、市との協働事業として城山自然の家を観光ゲートとした観光振興に取り組んでいる。今年度が協働事業の3年目で、来年度以降の計画は未定。観光協会としては、城山自然の家を地域の観光拠点としてそれ以降も運営していきたい意向があるが、独自で施設を借りるとなると管理費や人件費などのコストが大きなネックとなる。中野会長は「近隣の観光協会と比較して、城山は行政からの委託事業がなく、固定費を捻出するのがなかなか厳しい状況」と思いを吐露する。

 そこで大きな可能性を持つのがシイタケ栽培。「ブランド化により収益を生むことで現状を維持し、自然の家を運営するための運転資金にできるのでは」と大きな期待を寄せる。

 さらに、観光協会としては新たに城山地区のコーディネーター役としての立場を強めたいと考える。「さまざまな事業を運営していくのではなく、業者などに城山地区でいろいろな事業をやってもらい、それを大きくしていくことで城山のネームバリューも上がっていく。それが地域の人の働き口の確保や観光客の増加などにつながれば。観光協会としてはPRなどを積極的に行う。そうすることで地域の活性化にもなっていくと思う」と話す。

同会が推奨する大きくて肉厚なシイタケ
同会が推奨する大きくて肉厚なシイタケ

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