判断する 確かな情報と自分に向き合う NPO法人「れんげ舎」代表 長田英史さん
「今日の放射線量は○」。日々様ざまな情報が行き交い振り回される不安な日々を送る現在、何を信じどう決断して生きていけば良いのだろうか?
NPO法人「れんげ舎」代表で子どもの場作りに携わってきた長田英史さんは、震災後「まちだ復興支援プロジェクト(まちプロ)」を立ち上げ、市内でも支援活動の場を作ってきた一人だ。
情報=判断材料
例えば何かを判断するとき、たくさんの本を読み、精通した学者の話を聞き回って確かな情報を得ようとする。特にこの原発問題は、大多数の人が一度も触れたことのない事柄だから尚更だ。東北産の野菜を食べてよいのか?乳児には水道水を飲ませていけないのか…。自分で判断する材料(=情報)がないことが不安を一層深める。長田さんは言う。「その道のプロが集まっても東北産の物を食べる・食べないで意見が分かれている現状で、親が迷って当然ですよね。だからこそ、情報を知識として増やしていくことは大切なのでは」。長田さんは震災後まちプロの活動として”自分で判断できる知識が必要”と「お父さんお母さんのための放射能講座」を2回開催。専門家を招き、原発とは何か、今後どういった影響が出てくるのかなどの勉強会には、小さな子どもを連れたお母さんも駆けつけた。「親にとっては、子育ての大きな悩みが一つ増えた状態ですよね。こういう時こそまとまりがあり、それも憶測でない”確かな情報”に一気に触れる場が必要なのではないでしょうか。」
自分の内面に向き合う時間を
しかし情報があれば不安は取り除かれるかというと、必ずしもそうではない。どうすれば溢れる情報に振り回されずにいられるだろう。長田さんは今月、原発問題に関して前回の勉強会を踏まえ、”その場で自分の考えをまとめよう”といった企画を構想中だ。「今、結論を他から得ようとし過ぎているのではと感じます。まずは自分の中で、そして家族で、今後の生活スタイルをどうしていくか向き合う時間を作ること。専門家でもはっきり分からないという問題ですから、何が本当に正しいかという”正解”を求め過ぎず当面の結論を出してみるのです。確かな情報を得ようとすると同時に、自分の内面を処理していくこと。この両面がこれからの生活で特に大事なことだと思います」
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