明日、4月14日は熊本地震からちょうど1年。現地のシンボルである熊本城をはじめ、被災地の復興状況はなかなか届いてこない。町田市内で関わりのある人たちに現状を聞いた。
自分たちができることを
法政大学(多摩キャンパス/相原町)に通う松田成美さん(2年)は同大多摩ボランティアセンターの学生スタッフとして、地域社会と関わり合いながら様々な活動を行っている。昨年の入学後に発生した熊本地震を機に「熊本チーム」を作り、リーダーとして活躍。メンバーとともに夏休みに2回、今年2月にも益城町の被災地を訪れ、ボランティア活動を行った。
避難所となっていた町の体育館で、段ボールハウス、パーテーションの片付けや、子どもたちの世話をした。その活動を通して、地震で怖い思いをした子どもたちからは『ふれあい』が求められていると感じた。「歳も近い分、甘えてくれた。家が倒壊し、両親ともに勤めに出なくてはならないという家庭も多く、放課後や休みの間は何もすることができない。仮設暮らしで狭苦しい思いもしています。私たちは、建物を建て直すなどのハード面ではなく、ソフト面で役立てると感じました」と話す。現地の大学やNPOと連携し、集会所での映画鑑賞会や食事会などを企画している。
体育館は今年に入り、解体することに決まった。「そんな危ないところで皆が暮らし、私たちも活動をしていたんです」。家具や食器が落ちてきた怖い思いを経験し、日常でも紙皿や紙コップを利用する人や頑丈なトレーラーハウスに住む人も。「現地に行かないと皆さんの苦労はわからない」。再度熊本へ。今は助成金申請の企画書作りに奔走している。
明日14日は、多摩キャンパスを会場に復興の祈りを込めた竹灯篭を行う。
現地の食材を提供することが一番の支援
町田駅前にある熊本ラーメン店「火の国○」。阿蘇の実家で母親が栽培する高菜を、20年以上提供し続けている店主・大田黒順司さんにとって、被災当事者としての1年が経つ。「支援を直接手渡し隊」として何度も熊本にわたり、被災した実家だけでなく現地に支援物資を届けてきた。「これまで多くの人に支えられました」と感謝を述べる。その上で「震災は発生したその時だけではなく、今も続いています」と話す。余震や震度の出ないような継続的な揺れにより、体調を崩している母親。傾いた家も、全壊でないという理由で思うような助成を受けられず、建替えることもままならない。「今後も阿蘇の高菜や熊本の食材を使い続けて支援する。それが町田にいる自分ができること」と力を込めた。
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