町田版 掲載号:2018年11月15日号
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宮司の徒然 其の44 町田天満宮 宮司 池田泉

町田市の近郊で楽しめる草花たち
町田市の近郊で楽しめる草花たち

「住処」

 秋がなんとなくもの寂しく感じるのは、人間の本能によるところが大きい。人間は基本的に寒さが嫌いだ。肉体的にも動きが鈍くなる。インフラが整った現代には当てはまらないが、今もなお「敗北」という言葉は残っている。争いごとで負けたら寒い北へ行かされるのだ。だから「敗南」という言葉は日本にはない。「みちのく」というと今では旅行の行き先として魅力を感じるが、語源は「道の奥」というざっくりと国の支配が行き届いていない北の地域を示す言葉で、戦国時代には戦に敗れた武士は北へ逃れた。義経も然りだ。人間が暖かい方へ行きたがるのは至極当然のことで、食べ物となる植物の生育の点でも、暖かい方が不自由がないと考えたのだろう。戦って勝ったら暖かく住みやすい方を選べるということだ。しかし現代ではインフラも整備されて格差もなくなり、雪が多く活動しづらい冬が長くても、東北や北海道の住民は暖かい季節のパワーがすごいし、反対に九州や沖縄の夏は暑すぎて活動しにくいということもある。

 さて、列島を比較すると関東地方の東京や神奈川、千葉は天候も安定していて過ごしやすい。中でも町田市や相模原市は災害も少なく住みやすい地域だ。半世紀前頃までは毎年大雨で氾濫していた都県境の境川も、真っ直ぐに改修されてからは溢れることがなくなった。元々町田は神奈川だったが明治時代に東京府に移管された。だから今でも、地方の旅先などで「どちらからですかー?」と尋ねられたときに、「東京です」と答えるのも何となく気恥ずかしい。だって町田だから。実際私も買い物は相模原へ行くことが多い。道路行政の悪い町田よりも相模原の方が走りやすいということもあるし、うちから相模原市までは100mもないし。境川を渡れば神奈川県。買い物も趣味の散策場所も町田と相模原で半々。これが町田人そのものだと思う。春になり5月にもなれば、例えば相模原北公園などはバラやシャクナゲ(写真【1】)が楽しめて、ナンジャモンジャ(ヒトツバタゴ)やヤマボウシ(同【2】)が目線で観賞できる丘もあって、ますます暖かくなる季節に気分も高揚する。座間の谷戸山公園には野生の蘭が多い。大沼のこもれびの森なら、ツルカノコソウ(同【3】)やフデリンドウ、アカフチタチツボスミレ、クサボケ、ホウチャクソウ(同【4】)、ヤブムラサキなどが楽しめる。都県関係なく、ざっくりとこの辺りに生まれ育って良かったとしみじみ思う秋。
 

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