高度成長期に町田市内に建設されたマンモス団地群。いずれの団地も現在、団地内の商店街はシャッター通りしている中、この6月に藤の台団地と山崎団地の商店街に新しい風が吹いた。
団地が身近な町田っ子
藤の台団地内のショッピングセンター内に『シェアオフィス間(あいだ)』を開いた武藤大介さん(42)。前職はシステム開発会社に勤務の会社員。「仕事をする上で、通勤時間にかかる時間がもったいない。むしろ自宅近くで仕事ができれば仕事の生産性はあがるのではないか」というのが起業のきっかけ。
家から近い場所で仕事ができる、こういった場が最も必要と考える働く母親の一助となれれば、との思いから駅近ではなく幼稚園や保育園近くの立地で、住宅街の中という立地を探した結果「町田の子なので団地は身近なものなんで。小中学校の友人の多くは団地に住んでいましたし。特別、団地だから、どうということは思わなかった」。
名物駄菓子屋を継ぐ
一方、山崎団地の駄菓子屋「ぐりーんハウス」を継ぎ、新たな形で再始動させた除村千春さん(41)。本業は店の内装を中心にとするインテリアデザイナー。
小学校2年生まで同団地に住んでいた除村さん、2019年9月にネットで読んだ2度目の同店閉店の記事に興味を持ち、お店の最終日に足を運んだ。「引き継ぐことは全く考えていませんでした。ほんとうになんとなくです」と笑う。しかし、その場に集まった人たち、自身も仕事で関わることも少なくない商店街や店の在り方など様々な思いから店を継ぐことを選んだ。
お互い職場を団地にするとはね
2人は山崎高校の同級生。が、高校時代は特別仲良しだった記憶はお互いにない。武藤さんが「自転車登校禁止なのに、遅れて自転車に乗って校門をくぐるのが除村だった」と話せば「部活がバスケ部とバトミントン部だったから、体育館では顔を合わせていたよね」と除村さん。
学校を卒業してから仲が深まったのだと顔を見合わせて笑う。
先に団地での開業を決めたのは武藤さん。「もちろん、お店の開店については彼はプロだから何度も相談しました。もちろん内装も彼の手によるものです」。仕事を辞めることを相談した際には「サラリーマンは向いてないよ」との指摘も。その後、まさかの山崎団地で駄菓子屋の三代目店主を引き継ぐことにした除村さんに「お互いに団地を職場に選ぶなんて。予想だにしていなかったね」と2人で驚いた。
お店で何ができるのか模索する
シェアオフィス間(【電話】090・6170・2099)では仕事をするだけでなく、読書や自分の時間を楽しむことができる。「お店を開けて1カ月ですが、ご近所さんにスマホやPCの使い方をアドバイスしたり」と武藤さん。また3代目ぐりーんハウス(【メール】info@marchandstore.jp)は除村さんの設計事務所兼、駄菓子屋兼、シェアキッチンを備える。「店を作って終わりではない、その先も関わり続けることの楽しみを作り上げていきたいです」と話した。
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