戻る

町田 文化

公開日:2024.01.04

相原近くに竜伝説
辰年幕開け

  • 雌龍籠山(左)と雄龍籠山

 辰年の1年が幕を開けた。相原町に近い相模原市川尻にある龍籠山には「広田の竜伝説」と呼ばれる言い伝えがあるという。この地域の歴史に詳しい保坂健次さんとフォトグラファーの小池久男さんに話を聞いた。

 相原町からほど近い城山湖の東に位置する龍籠山。保坂さんによると、龍籠山は「雨降(あめふらし)龍籠山」とも言われ、本殿裏の岩間より湧き出る霊泉は干ばつでもかれることなく、日照り続きには雨乞いが行われたという。

 霊泉は小松川の源流として地域を潤し、境川(片瀬川)となって江の島までつながっている。「地域の人たちは、雨が降らないとここに来て降ることを願ったそうです」と保坂さんは説明する。

大きな竜が

 さらに、この地には「広田の竜伝説」と呼ばれる言い伝えがある。以下引用。

♢  ♢  ♢

 大昔、とてつもなく大きな竜が金刀比羅山に棲んでいた。そこへ、あるとき城山の向うの方から峯の薬師をひとまたぎにして、いっぴきの牝竜が現われる。そしてたちまち大げんかがはじまったのである。

 竜が争うときは、真黒な雲を巻き、風をひき起し、稲妻もまじえて大雨を降らせるのだ。

 どちらが勝ったのかよくわからない。その時大雨が降ったのが雨降(あめふらし)で、滝をなして流れたのが滝(たき)尻(じり)、大風が巻いたのが風間、そして、その竜が棲んでいたのが穴川だったそうだ。(広田のあゆみ〜広田小学校(相模原市)創立10周年記念誌〜より)

♢  ♢

 川尻にある雨降、滝尻、風間、穴川といった地名はそれぞれ竜の争いがあったことを物語っているのではと考えられているという。

 広田小学校の北側の道路から城山湖方面を望むと、右に見えるのが雄龍籠山(おたつごやま)、左に見えるのが雌龍籠山(めたつごやま)。また、雄龍籠山の展望台からの眺望は人気で、天気に恵まれると、みなとみらいやスカイツリーなどが一望できる。小池さんもお気に入りのフォトスポットで、カメラマンも多く訪れるという。

 この周辺はハイキングコースが整備されており、「今年は竜の伝説に思いを馳せながら散策するのも良いのでは」と2人は話している。

ピックアップ

すべて見る

意見広告・議会報告

すべて見る

町田 ローカルニュースの新着記事

町田 ローカルニュースの記事を検索

コラム

コラム一覧

求人特集

  • LINE
  • X
  • Facebook
  • youtube
  • RSS