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町田 社会

公開日:2025.07.24

市内幼稚園用務員に瑞宝章
元自衛官 「防衛功労」

  • 賞状を手に笑顔を見せる長山さん

 町田サレジオ幼稚園(小山ヶ丘)でバスの運転士兼用務員として働く長山高行さん(61)が、この春の危険業務従事者叙勲で瑞宝単光章を受章した。元自衛官としての「防衛功労」が認められたもので、長山さんは「東日本大震災での活動が評価を受けたのかも。放射線を取り扱う特殊な免許を生かし、被災地で除染活動に従事していた」と振り返る。そして、「私でいいのかな」と謙遜しつつ、「内示から1カ月間、誰にも言わないでというのが一番辛かった」とほほ笑みながら喜びを語る。

 岩手県出身の長山さんは高校卒業後に縁あって自衛隊へ。持ち前の体力と負けん気で、厳しい訓練を乗り越えてきたといい、災害派遣の業務で被災者からかけられる感謝の言葉をやりがいに、定年まで勤め上げた。思い出に残るのが新潟の部隊にいた頃の重りを載せてアキオ(そり)を引く競技。「かかとは血だらけになるほど辛かった」が、その努力は優勝に結実したという。

 そして、第2の人生に選んだのが幼稚園での仕事だった。「毎日、子どもたちを無事に送り届けることが今の一番のやりがい」と笑顔をみせ、園児が「長山さんみたいに自衛隊になりたい」と言っていたことを聞いた際は「うるっときました」と目を細める。

 一方、趣味の囲碁・将棋は、独学ながら自衛隊内の大会で優勝するほどの腕前で園児とオセロする時は「1勝1敗くらいにする」と笑う。「一日でも長くここに勤め、いつか卒園生が先生として帰ってきてくれたらうれしいね」

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