町田 文化
公開日:2026.10.08
『氷柱(つらら)の声』 きんじょのつぶやき 54 著/くどうれいん、出版/講談社
本が好き、本を読むのが好き、本を読む人が好き。「本と人が出会う場所」きんじょの本棚®はどこでも借りられ、どこでも返せる”まちの本棚”です。今回は、#271ほととぎす(杜鵑草)の庭店の熊倉千雅さんのおすすめです。
東日本大震災を題材とする小説で、盛岡の高校生を主人公に震災後10年の時間を通して、人々の景観や思いを『声』として紡いでいく物語。あとがきに、"「震災もの」なんてものはない。ということだ。多くの方が「話せるほどの立場」ではないと思っているだけで、二〇一一年三月十一日以降、私たちの生活はすべて「震災後」のもので「『震災もの』の人生」だ。どこに暮らしていたとしても、何も失わなかったと思っているとしても。"と。「震災の後を生きる人」全員の心の揺らぎや痛み、日常が『声』として描かれている。読後、うまく言葉にできないがその『声』を聴くことで自分の『声』と出会えたような気持ちになった。
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