2017年度以降に昭島市への移転が予定されている八王子医療刑務所(子安町)の跡地利用について、このほど市が計画の素案を発表した。来年1月4日(月)まで意見を公募している(パブリックコメント)。
南口活性化の起爆剤 郷土館、図書館も
八王子医療刑務所は八王子駅南口徒歩10分ほどのところにあり関連用地を含めて面積は約5・3ヘクタール。南口については現状、駅近くのサザンスカイタワーを除いて周辺に「核となる施設」はなく、駅からの人の流れは限定的なものとなっている。跡地利用は、南口周辺地域活性化の起爆剤として期待されている。
市が検討している施設は「みんなの公園」「歴史・郷土ミュージアム」「憩いライブラリ」の3つ。公園は災害に備えて防災機能を持たせるとしており、ミュージアムは老朽化が進む現在の郷土資料館(上野町)の移転も兼ねている。ライブラリは図書館機能だけにするのかなど詳細は決まっていないという。またライブラリに関しては、公園とミュージアムの具体化を踏まえて実現性を精査するとしている。
跡地利用について市が掲げる方針は「自宅・職場と異なる第三の居場所」。建物は複合機能施設とし、気軽に利用でき心地よい空間をめざすという。
市によると予算は「設計計画の規模が決まっていないので不明」としているものの、土地取得予算だけでも台帳上で60億円を上回り、最終的に建設費を含めて100億円を超える事業になる見通し。用地は優先的に売却される方向で国と調整がついているという。
2012年に市が方針素案を提出した際には、パブリックコメントに対して「ベンチャービジネスの誘致」「武道館」「大規模商業施設」「教育施設」「シネコン」など様々な意見があった。意見交換会の場でも「プロの試合ができる球場やサッカースタジアム」「パーク&ライド」などの構想が出ていた。(一社)八王子青年会議所でも13年に南口再開発のパネルディスカッションを行い、市民から「公園」や「刑務所の形をした美術館」などの意見を集めた。
「サッカー難しい」
11月に行われた定例記者会見の中で、導入施設について記者からの質問に対して市は「サッカースタジアムは整備費を考えると難しい」と答弁。また、今回の計画以前に八王子商工会議所から要望のあった八王子まつりの名物になっている山車の常設展示場所については、今回の用地では候補には挙がらず、「集客に結び付けるのは難しく今のところは別の場所も含めて検討していない」と答えた。
市では「できるだけ早い時期に計画を立てて実現したい」と話しており、今年度中に活用計画を策定し、来年度以降に施設計画の検討を行う予定。
19日説明会
なお、12月19日の午後2時から市役所本庁舎で今回の素案説明会が行われるほか、資料は都市総務課、市民センター、図書館などで閲覧することができる。意見の提出方法などについては市都市総務課【電話】042・620・7258へ。
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