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川口町鈴木さん バレー通じ 社会復帰を 精神障害者に指導

社会

掲載号:2016年3月10日号

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指導をする鈴木さん
指導をする鈴木さん

 精神障害者の社会復帰を目的に活動するソフトバレーボールチーム「八王子セブンクラブ」。代表の鈴木功一さん(川口町)がチームを立ち上げて10年目。チームは全国大会の常連で、1月の都障害者スポーツ大会は7連続の優勝を決めた。3月20日(日)には市内で初の主催大会を開催する。「スポーツを通じて自分に自信を持てるようになる。自立への道にもなるはず」と鈴木さんは活動の趣旨を話す。

全国常連チーム

 子安町の体育館に勢いのある声が響き渡る。「もう1回!」。鈴木さんの激しいスパイクに選手は必死についていく。練習は4時間みっちり行われた。

 鈴木さんは東京消防庁の職員。中学、高校とバレー部に所属し、高校卒業後同庁への入庁とともに知人の紹介で長房町の「ママさんバレー」の監督を務めるようになった。指導を続ける中で2001年、その地域に住む作業所の代表者から施設利用者に「バレーを教えてほしい」と打診された。

 最初の練習には6、7人が参加した。やるからには目標が必要と、大会での勝利をめざし徐々に活動を本格化。初めて出た大会では指導の甲斐もあって、見事に優勝(02年)。その勢いで全国予選も通過し、都の代表として全国大会への出場を果たした(12チーム中3位)。翌年は同大会で準優勝。そして気が付けば「全国の常連」に。なお、それまでは作業所の名で活動していたが07年に「セブンクラブ」と改め再スタートしている。

まずは信頼関係

 セブンクラブは大会の際、「精神障害者部門」の枠で出場する。使用するボールは通常のバレーのものと比べて大きくやわらかいソフトバレーボール。コート上には常に女性が1人いることが独自の規則となっている。「集団競技なので、みんなでひとつになれる。怪我もしにくい」と鈴木さんはこのスポーツの魅力を話す。

 「技量のある人が教えれば選手はある程度伸びる。しかし精神疾患を抱えている人に対してそううまくはいかない。他人を信じられなくなっている人もいるので、まずは信頼関係を築くことが大切」。鈴木さんがこれまでの経験から学んだことだ。チームに携わるようになり、障がい者スポーツ指導員の資格を取得した。「関係構築に半年、1年かかることもある。認めてあげること。そうすると心を開いてくれる」

 大学で疾患を患いセブンクラブに入部。その後完治し学校へ戻った人もいる。「自信がつくと辞めていってしまう」。もちろん「卒業」は大きな目的のひとつだ。「いい選手がどんどんいなくなる。だから勝ち続けるのは大変だよ」と鈴木さんは苦笑いを浮かべる。

電話だけでも前進

 鈴木さんの下には、月に10件くらいチームについて問い合わせがくる。そのうち実際見学に訪れるのが3人。入会するのはそのうちの1人の割合だという。それでも「電話をしてきてくれるだけで、その子にとっては前進」と、鈴木さんは前向きに考える。鈴木さんの携帯電話には1000件以上の連絡先がある。中には一度きりの電話だった人もいるが、登録したものは決して消去しない。「何年かしてまたかかってくることもある。名前を覚えておいてあげないとね」

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