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八王子 人物風土記

公開日:2017.07.06

先月、八王子市議会議長に就いた
伊藤 裕司さん
散田町在住 67歳

「子どもが誇れる街」全力で

 ○…2003年、八王子市議会議員に初当選し4期目。市内の教育や経済の問題解決などに力を注いできた。「議長は40人の議員の代表。身の引き締まる思いだよ。100周年の年に務めさせて頂くのは大変光栄なこと」。議員生活で見えてきたのは八王子の歴史の重み。子どもたちが誇りをもてる街にしていくことが自らに与えられた仕事と考えている。「議員一人ひとりの声を尊重し、みんなが納得した上で物事を進めていきたい」

 ○…幼少期は、缶蹴りやベーゴマ、川遊びなど自然豊かな八王子を舞台に、友だちと走り回った。なかでも好きだった遊びが三角ベース。当時のプロ野球のスター、長嶋、王両選手に憧れた。「一番は長嶋さん。ひたむきにがんばる姿に惹かれた。勉強などの辛いことも『長嶋さんのように』と思うと、自然とがんばれたんだよ」。大学時代には一時、弁護士を目指したことも。「弱い者の味方でいたいという思いが強かったんだ」

 ○…大学卒業後に実家のふとん屋を継いだ経験が今に生きている。量販店の勢いに押され、「生き残る術」を考え悪戦苦闘したことが、市民の困りごとの解決策を見つけ出す「力」を生んだという。「商売を通して、物事の課題解決のヒントは常に”その場”にあると知った。以来、現場主義を貫いているよ」。90年代に40店舗程度あった市内布団屋は00年以降、半数以上が姿を消した。その厳しさと共に心に刻んでいる。

 ○…「教育」が原点だ。3人の子どもが通った小中学校でPTA会長を務めたことなどが議員になるきっかけとなった。学校の子どもたちのために、父兄らと汗水垂らしてきた姿が人の目に留まり、議員に推薦された。以来、「教育の街、八王子」と言われることが夢となっている。「『まずわが子を見守ろう』と呼びかけたい。そのための環境づくりには力を出し惜しみしません」。2年の任期、全力疾走を誓う。

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