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八王子版 公開:2018年5月3日 エリアトップへ

八王子リトルシニア 「伸びしろ」残す指導 40年 全国常連チームに成長

スポーツ

公開:2018年5月3日

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優しい目で選手を見つめる和田さん
優しい目で選手を見つめる和田さん

 八王子市内を拠点に活動している中学硬式野球チーム「八王子リトルシニア」が今年、活動40周年を迎える。将来への「伸びしろ」を残す無理のない指導のなか、全国屈指の強豪チームとして成長を果たしてきた。

 野球を通じた青少年育成などを目的に、1978年11月にチームは創設。現在監督を務める和田義盛さん(62)によると、着任した創設4年目のチームは選手が中学3学年合わせても25人にも満たない弱小チームだったという。知人に頼まれ、「何となく」指導にあたっていたものの、対戦が決まった相手チームの監督から「この相手なら」と喜ばれる姿をみて、悔しさから次第に指導に熱が入るように。時代背景もあり、当時は選手に厳しい練習を課していたというが、90年代半ばにもなるとメンバーは50人を超え、和田さんらが教えてきたことを、先輩選手が後輩へと伝えていく、好循環がみられるようになったという。

 「大人が声を出さなくても、子どもたちが声をかけあい成長していく。強くなっていくかな、と思っていましたね」

「人材育成」に力

 そうなると、和田さんの指導は「人材育成」に重きが置かれるように。「まだ中学生。裏表のない人になってもらいたくて」と、「野球が上手い俺はすごいんだ」と勘違いさせないように選手の生活状況もみるようになった。その一環が選手一人ひとりの学校の通知表を見ること。悪い評価を受けた選手はエースで4番であっても試合には出さない方針を今まで貫いている。「とは言っても、大切な試合の時に、主力選手を出場させられなくなりそうになり、ひやひやした思い出があります」と苦笑いをみせる和田さん。

 また、全力プレーによる失敗に怒ることはないが、遅刻や怪我につながる怠慢プレーにはしっかりと怒ることを肝に銘じているという。

 人が育ってくるとチームの成績も向上し、96年には最大の目標とする夏の大会で日本一に。以来、全国大会の常連校となった。ただ、「当初から全体練習は週2日間だけで、うちの練習の7割は打撃練習。野球で一番面白いのは打つことだからね」と、野球の楽しさを伝えつつ、技術、体力の伸びしろを残したまま進学させることを第一に無理のない指導を継続し、今年3月には、和田さんが監督に就任して30回目の全国大会出場を果たした。

少子化に危機感

 そんな好チームに成長したなか、意識し始めたのが少子化によるメンバー減少について。今は、絶対数は大幅に減っていないものの、市外から「強さ」を求め加入する選手が増え、チームの土台となるべき、地元「八王子の子」が減少している傾向から対策を講じる必要性を感じているという。そのため、今年度から選手の保護者が担当していた練習や試合時の「お茶当番」を廃止するなど、保護者の負担を軽減し選手がチームに入りやすい環境づくりを進め始めている。

もう一度、日本一に

 和田さんは今、「もう一度、全国制覇をしたい」と今夏を見据えている。どの打順からでも得点が奪える打線を武器に勝ち上がっていきたい、と。主将の小松稜平選手は「厳しい時もあるけど、ノリが良い監督。全国につれていきたい」と話している。

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