9月16日に片倉町で行われる第4回八王子流鏑馬の実行委員長を務める 磯沼 孝さん 小比企町在住 68歳
自然体の中心に武道
○…八王子流鏑馬(やぶさめ)に参加したのは2回目開催の2016年から。翌年の3回目には実行委員長となった。「面倒見がいい」「頭の回転が早い」「ざっくばらんな性格」「敵を作らない」と周囲から推されての就任。しかし3回目となる昨年は台風で中止に。「委員長になったのに、1度もできないんじゃ可哀そう、ってみんなが同情してくれたから今回も続投」と悔しさを吹き飛ばしてユーモアに変える。裏表のない人柄に自然と人が集まってくる。
○…高校を卒業し、国鉄(当時)で19年間働いたが民営化を機に退職。「泊り仕事が嫌だったし退職金も高かったからね」。辞めてからは自営業をスタート。市場の人材派遣の仕事、喫茶店、植木屋、ビルメンテナンス、発泡スチロールを溶解する仕事など多岐にわたるが「損も得もプラスマイナスゼロだったな」と総括。趣味はゴルフ、テニス、カラオケ、骨董品収集など多彩だ。結婚は3回。子どもは3人いて、今も交流があるという。自然体で経歴を語る。
○…「自分に正直に生きてきたが筋は通してきた。人を騙すようなことはしたくない」。その中心にはいつでも武道の心があった。趣味の「居合(いあい)道」は20代の頃から親しんだ。3年前、鹿島神宮(茨城県)の流鏑馬に先立って行われた「居合・抜刀」の演舞を見て「心の底から燃え上がった」ことから居合を再開。そのときに手伝いに来ていた八王子流鏑馬の関係者に誘われたのが参加のきっかけだ。
○…「自分のしていること(流鏑馬)は時代に逆行しているのかも。でも、伝統を多くの人に知ってほしい。知らないのはもったいない」。まだまだ、やりたいことが沢山ある。今年から八王子の郷土刀「下原刀(したはらとう)」を知ってもらう活動も始めた。「年寄りには伝える義務があるからね」
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