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緑町畔上さん 文化庁から功労者表彰 植物研究 地域文化に貢献

社会

掲載号:2018年10月25日号

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「もらった意味を考えたい」と話す畔上さん。特に東京指定の平久保のシイなどの保護に関して貢献した
「もらった意味を考えたい」と話す畔上さん。特に東京指定の平久保のシイなどの保護に関して貢献した

 自然植物の観察・研究を行っている緑町在住の畔上(あぜがみ)能力(ちから)さん(85)がこのほど、文化庁の地域文化功労者として表彰された。畔上さんは、1988年から28年間、多摩市文化財保護審議会委員を務めるなどし、多摩市の文化財の保存や活用に尽力。地域文化の振興に貢献したことが認められ、今回の受賞に至った。

アマチュア自然研究者

 地域文化功労者表彰は、文化庁が全国各地で、芸術文化の振興、文化財の保護等、地域文化の振興に功績のあった個人や団体に対して表彰するもの。今年度は、全国で95の個人・団体が表彰され、都内からは畔上さんを含む4人が選ばれた。

 1933年に市内で生まれた畔上さん。八王子駅近くで帽子屋を営む父親の趣味だった自然・植物観察の影響を受け、高尾の林業試験場などに通い、独自に植物の研究を行ってきた。

 1954年に公益財団法人日本植物友の会に入会。洋品店を営みながら、自然植物の観察を行い、東京都公園審議会委員、東京都自然環境保全審議会委員などを歴任。現在は、日本植物友の会顧問や、八王子自然友の会の会長などを務めている。これまでに見てきた植物の数は万を超え、自らを「アマチュア自然研究者」と称し、学会でも論文を発表。自身での執筆や共著、監修などで数々の植物図鑑や著書を残しており、多くの大学教授や専門家らから”先生”と慕われる自然植物研究の第一人者だ。

八王子市史の編纂も

 戦後、東京都の町村合併の際に、日本植物友の会のメンバーとして三多摩エリアの文化財総合調査の自然植物調査に関わり、日野市の文化財専門委員に就任。多摩市から植生調査の依頼を受けたことがきっかけとなって、「多摩市植物友の会」(1982年)の発足に奔走。同会の活動を後方から支援し、植物観察会の講師なども務めてきた。その後、多摩市文化財保護審議会の委員に就任し、植物の専門家として、市内文化財の保護や活用に尽力し、多摩市の文化の振興に長らく貢献してきた。

 八王子市でも、都立小宮公園の開園に際し動植物の生態調査に関わり、2014年に出版された「新八王子市史」の自然部会長を務め、自然編の編纂にあたった。

 今回の受賞について「もらった意味合いをゆっくり考えたい」と笑顔で話す畔上さん。「知っていることは私が先生。知らないことは私が生徒」と、自然や自分に対して謙虚さを持つことを説き、自然とふれあうことの社会教育と、指導者育成を掲げ、多摩市や八王子市のみならず全国で活動を行っている。「自然の中で新しいものを発見するという行為はきりがない。それは自然の解明の一部を行うことだと思っている。それをこれからも続けていきたい。生きている限りは地元や東京で活動していきたい」と今後の抱負を語った。

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