バイオリンサークルの主宰で、12月に市内でサークルの発表会を兼ねたコンサートを開催する 阿部 智世(ともよ)さん 南陽台在住 48歳
楽しみ、気持ちで弾く
○…この日のために青森から「子どもたち」がやって来る。来るのは12年前から6年間、サークルを開いていた際に出会った教え子ら。もうほとんどが高校生。「先生が向こう(東京・八王子)でやるときは絶対応援にいく」。サークルは大きな家族のような集まりだった。「だからわざわざ来てくれるのかな?」。開催は2度目。約束は昨年に続き守られる。
○…姉、弟、妹も楽器を弾く音楽きょうだい。バイオリンは3歳から大学時代まで習った。「教える」ようになったのは、夫の転勤を機に青森に住んでから。長男の幼稚園で披露するとまわりの親子が関心を示した。「楽器店も音楽教室もない、小さな町でした。珍しがってくれたみたいです」。そこで「技術でなく気持ちで弾く」サークルを立ち上げた。あえて教室でなくサークル。「音楽を楽しんでもらおう」とする姿勢が受け入れられ50人の生徒を抱えた。演奏に呼ばれ町内の老人ホームや保育園は「ほとんどまわった」そう。
○…実は、大学は音楽でなく「畜産学」を専攻した。「言葉をしゃべらない動物とわかりあいたい」。犬、猫、鳥アレルギーがあったが相模原の麻布大学へ進学。卒業後は養豚場の分娩舎で働いた。「かわいかったですが自分の思いはなかなか通じず…。突進してくるし」と笑う。豚肉を食すことについては「自分の血や肉になってくれる。無駄にしてはいけない」
○…生まれた八王子に戻り2年前、ここでもサークルを開いた。無条件に子どもが好きという。レッスンでうまくいかなくても、「次の回は笑ってくる。そういう所がいいですよね」。夢は弦楽団を作ること。「5年、6年?7年くらいかかるかな」。青森の高校生も八王子の子どもたちも、みんな楽しみにしているはずだ。
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