南大沢のUR団地「ベルコリーヌ南大沢」内で地域コミュニティづくりが進んでいる。この1年で、夏祭りや参加者みんなで「ごはん」をつくり語り合う会などが初開催されてきた。
その立役者となっているのが、都市計画を研究する首都大学東京(南大沢)の饗庭伸教授が主宰するゼミの学生たち。月1回程度開かれてきた催しで、地域の「一人」として団地を管理するUR都市機構の担当者らと準備を進めてきた。「多世代がつながれる食をキーワードにしたイベントを多く開催してきました。団地内に顔見知りの方ができてうれしいです」と同ゼミ生の一人、鈴木萌佳さんは笑顔をみせる。
「団地住民間のつながりを深めるためには」。そのためのアドバイスをUR担当者が饗庭教授に依頼したことが活動の始まり。そして、昨春完成した団地内の集会所を拠点に、都市計画研究の一環としてゼミ生たちがイベントを企画するように。「真っ新な状態から立ち上げるのは難しかったですが、手応えを感じつつあります」とはゼミ生の西昭太郎さんの声だ。
ただ同団地は築30年と比較的新しく、子育て世帯など30・40代世代の住民が多く住んでいることから、饗庭教授は「住民の入れ替えが多いところ。それは悪いことではありませんが」と話し、必然的にまとめ役となるリーダーが生まれることが少なく、地域コミュニティが成立しづらい、と。
ではこの団地内では地域のつながりは不要なのか――。学生たちの答えはこうだ。「ちょっとした顔見知りができて、災害時など、いざという時に協力し合える環境になれば」「地域の空間をシェアするという文化を広め、団地内をみんなが語り合える場所にしていきたい」。そう話し、継続的に盛上げに協力していくため、後輩へと活動を引き継いでいきたいと。「なかなか希望者が見つかりませんけどね」
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