歌手の三浦大知さんとの共演などで知られる八王子出身の音楽家の千晴(ちはる)さん(37)が地元高尾で知人らとパン店を始める。音楽活動と並行し「オール高尾メイド」の店で、生まれ育った町の地域振興に乗り出す。
10日 駅南口に
(地産地消と言われるように)飲食はその土地にあったものの方が良いはず(千晴さん)――。パン店の店名は「いなこっぺ」。場所は高尾駅南口で10月10日(木)にオープン予定。店舗の施工を始め、提供するパンやコーヒーもほとんど地元の人、業者によるものなので千晴さんはそれを「オール高尾メイド」と説明する。また「大工さんもパン職人も、ものを作る人はみんなアーティスト。ここではアーティストみんなが伸び伸びできる環境を作りたい」と話す。土地に根付いた作り手が力を発揮することで地域の好循環につなげたい考えだ。
幼なじみと起業
千晴さんは浅川小、浅川中の出身で2006年、24歳のときから音楽活動を開始。ヒップホップの楽曲提供だけでなくラッパーとしても活躍、三浦さんの作品に参加するなどしてきた。昨年はアルバム「始まり」を発表した。
パン店は幼なじみの落合俊哉(しゅんや)さん(36)と立ち上げた会社で運営する。落合さんは地元で焼肉店を経営する中で、「もっと色々な店をやりたい」と考えていたところ、千晴さんの弟でパン店に勤める石川純也さん(35)と意気投合。そこに音楽業界でマネジメントなどについても学んだ千晴さんが加わり6月、落合さん、千晴さんの2人で起業した。まずは落合さんの好物コッペパンを中心とした店舗を始めることに。千晴さんは店舗のディレクション、BGMなどを担当。石川さんが店長を務める。
故郷へ戻る
千晴さんは5年前、それまで暮らしていた都心から、高尾へ戻ってきた。「やはりこの環境がいい。バイブレーションが合う。土(地元)に帰ってまた芽を出せれば」。離れてみて初めて故郷の良さに気がついたようだ。一方落合さんは音楽活動をしていた時期もあり、千晴さんについて「リスペクトはでかい」と話す。
なお千晴さんと石川さんの兄弟をはじめ、落合さん、店舗に併設されるコーヒー店の店主、施工業者ら店に携わる人のほとんどが店舗近隣にある浅川小、浅川中のOB。「だからオール高尾メイド。縁のあるメンバーでやります」と超地域密着、ハイパーローカルな店づくりについて千晴さんは笑顔で語った。
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