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公開日:2020.03.12

館ヶ丘自治会
「高尾」に道の駅を
拓大研究室と1年検討

  • 左から徳永教授、高瀬会長、当日発表を行ったゼミ長の五十嵐理音さん

 高齢化する地域の活性化を目的に「道の駅を作ろう」という動きがある。活動するのは館ヶ丘自治会と拓殖大学の徳永研究室による「八王子西南部地域に道の駅検討会」。1年間の活動を振り返る勉強会が3月5日にあり、課題の洗い出しが行われた。

将来への不安

 「スーパーが撤退したため、住民のみんなが苦労したことがあった(2016年)」。そう話すのは館ヶ丘自治会の高瀬智規会長。同自治会は館ヶ丘団地(館町)の500世帯ほどが加入している。幸い、当時は3カ月で別のスーパーが出店し、買い物に悩む不安は解消された。「団地の高齢化率(65歳以上の割合)は57%と高い。空き家も増加し、バスの便も少ない。今後も何が起こるか予想がつかない」

 そんな中、道の駅の話が持ち上がったのは地域おこしなどに取り組む拓殖大学八王子国際キャンパス(館町)の徳永研究室(徳永達己教授)が一昨年10月に実施した道の駅設置に関するアンケート調査だった。それによると地域の人は約8割が前向きだった。高瀬会長は「(高齢化などの問題に対し)このままでいいのか。自治会の1つの決断として取り組む」と決意。地域住民の利用だけでなく高尾山登山客を周辺に誘導する効果があり、新たなバスルートの開設の機会にもなると考えた。

 昨年3月から検討会を発足し、3カ月に1回ほど勉強会などを開催。昨年9月には社会実験として「1日限定道の駅」を団地内で行い、地元農家の野菜などを出品したところ、予想を上回る人出があったという。

まずは地域で合意

 徳永教授は「市内でも高齢化率の高い西南部地域だが、道の駅にとって最高の立地。圏央道と中央道へのアクセスも良く遠方からの利用も期待できる。地元で一致団結すれば、必ず実現できる」と話す。市内にはすでに道の駅「八王子滝山」がある。「1つの自治体に1つ」という原則があるが、「実際には市町村合併でその原則は崩れてきているので、十分に可能性がある」とも。「手続きとしては、市が国土交通省に申請を出すことが必要。そのために、地域での合意形成が欠かせない」と説明する。

来年度、本格化

 来年度は市の西南部地域にあたる町会自治会連合会の横山南地区連合会にも参加してもらい、さらに地元の農家や周辺の企業も巻き込んでいきたいという。「その上でマスタープランを作成し1つずつ進めていく。市に必要性を認めてもらえるようになりたい」と高瀬会長。設置場所は団地内や周辺と断定してはおらず、今後も検討を重ねていくという。「まだ計画は始まったばかりでいつ完成するかもわからない。必ずしも道の駅という制度にこだわらなくてもいい。今は機運を高めていきたい」と徳永教授は話した。

道の駅とは

 道の駅は1993年から始まった制度。市町村などの公的な団体が設置者となり、国交省で登録される。全国に1160カ所ある(昨年6月時点)。近年は農業・観光・福祉といった機能を持つなど多様化してきている。24時間利用できる駐車場やトイレなど必要とされる要件がある。

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