八王子市は新型コロナウイルス感染症の影響で経済的に困窮し、修学の継続が困難となった学生を支援する給付金を支給する。7月から8月にかけて実施した事業の2次募集で、今回は要件を緩和し対象者を拡大した。給付額は10万円。市担当者は「学園都市であるので支援もしっかりしたい。八王子で学びを続けてほしい」と話す。
要件緩和、対象拡大再開も契約できず
「構内の食堂でバイトをしていたが、学校が閉鎖となり仕事がなくなりました。学校が再開され食堂も始まりましたが正規雇用のスタッフが優先で自分たちは契約できませんでした」(21歳・大学生)。21の大学等が立地する八王子は10万人の学生が暮らすと言われている。飲食店でアルバイトをする学生も多くコロナ禍で店舗の営業が厳しくなる中、彼らの仕事、収入も減りつつある。
八王子市の「学生支援特別給付金」は、国と異なる市独自のもの。国の受給対象とならなかった「困窮学生」を支援する。7、8月に実施した事業の2次募集。今回の申請期間は9月15日から10月31日まで。給付額は10万円(申請はひとり1回のみ)。ウイルスの感染が再拡大し、都内の飲食店で営業短縮などの措置がとられたため、学生のアルバイト収入等への影響を鑑み実施することとなった。経済的負担を軽減し修学の継続を図ることを目的とする。
1次は328件
7月1日から8月31日まで行った1次募集には328件の申し込みがあった。担当する市民活動推進部学園都市文化課の山岸研課長は「申し込み状況をみると、経済的な苦労が伝わってきました。また特に理工系や看護系の学生からは、そもそも学校に行けない不安や不満も書かれていました」と話す。
2次募集は1次と比較して「学業成績基準の緩和」「既存支援制度の利用条件の緩和」など要件が変更されている。なお1次募集の際は学生本人より両親、祖父母からの問い合わせが多かったそうで、市では今回SNSなどを通じて若者へ積極的にPRをしていく考えだ。
春に企画したアンケートではコロナ禍で「学費の支払いに影響がある」と答えた学生が2割ほどいたという。4月のある調査では住民票を八王子へ移していない学生が昨年の「半分ほど」だったそう。山岸課長は「八王子は多くの学生が暮らす街なのでしっかり支援をしたい。八王子で学びを続けてほしい」と話す。
市出身者も対象
学生支援特別給付金の対象は大学等に在籍し、市内在住もしくは市外に居住する市出身者で、その中でアルバイト収入によって生活をしている人。支給には修学状況、保護者等の経済状況についてなどの条件がある。
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