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八王子 文化

公開日:2021.01.07

元八王子市川さん
手づくり弦楽器を展示
80歳を前に初 9日から

  • 堤琴工房クレモーナでバイオリンの調整をする市川さん

  • 「お気に入り」という1枚裏板(ワンピース)のバイオリン。5、6年ほど前に手掛けた

左入町家具店で



 元八王子町在住の元学校長、市川武邦さん(79)がバイオリン、ビオラなど「手づくり弦楽器」の個展を開催する。あさって1月9日(土)から18日(月)までで、会場は左入町にある家具店「村内ファニチャーアクセス」内「サロン樫の木」。10日(日)の午後2時からはミニコンサートが開かれ市川さんも演奏する。市川さんは「私自身もどんな音色が聞けるかとても楽しみ。かつての教え子たちにも会えたら嬉しい」と話す。



音楽、工作好きの少年



 市川さんは子どもの頃から音楽、クラシックが好きな少年だった。バイオリンとの出合いは中学1年のとき。音楽の授業で教諭の演奏を聞き、心を打たれた。「美しい音色、美しいフォルム。この世にこんなに素晴らしいものがあるのかと感動しました」



 一方、木工細工も好きで小学校の頃は、肥後守(小刀)が遊び道具だった。成人してからも木材から削って作るソリッドモデル(模型)や竹細工に没頭した。



50歳から制作



 小学校の校長になった50歳のとき、たまたま同僚からバイオリン制作の本を紹介された。読んでみるとこれまでの木工経験から「自分でもできそう」と思い、その日のうちに筆者に電話をしたそう。「バイオリンづくりなんて、素人が手を出せるようなものではないと考えていました。それが『できるかもしれない』と思ったらとても興奮しました」。以後、毎週日曜日、西所沢にある筆者で制作者の工房まで通い、技術の習得に努めた。



「90まで頑張る」



 退職したその次の日から1年間、さらに修行を積んだのち、自宅を改造し工房を構えた。現在は「年に1、2挺」作る傍ら、修理や指導も行っている。バイオリン制作について市川さんは「楽器の中は空洞なので構造自体は簡単。ただ、いい音色になるよう、よく振動するように作るのは大変」と話す。常に「より美しく、より響く」を心がけており、「かのストラディバリは93歳まで作り続けたそう。自分もせめて90歳までは頑張りたい」としている。



演奏も披露



 今回の個展は市川さんが春に80歳を迎えることを機に企画された。これまで手掛けたバイオリン7、馬頭琴3、ビオラ2、チェロ1、合計13挺を展示する。市川さんは高校の頃から演奏を学んでおり、都の交響楽団や八王子市のオーケストラで活躍した実績もある。ミニコンサートでは家族、仲間と一緒に披露する。市川さんは「ここまで打ち込めるものがあった自分はラッキー。期間中はかつての教え子たちに会うのも楽しみ」と話した。



 市川さんの個展「手づくり弦楽器展」についての問い合わせは同店【電話】042・691・1211の店舗代表電話から担当の源原(みなはら)さんを呼び出す。

 

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