細部に光るこだわり

　○…今年のテーマは世界の音楽。「音楽をきっかけにその国のことを知ってもらえたら。お家で世界旅行の気分を」と笑顔で語る。コロナ禍により街中の店舗などで開催してきた従来のスタイルを変更し、今年はオンライン形式を増やした。カリンバキットが自宅に届き一緒に作り演奏するワークショップなど体験企画を用意。映像での音楽祭に悩んだが「オンラインだからこそできるものを。音楽祭をいろんな人に知ってもらえるかも」と、期待を込める。

　○…幼少期から初沢町で育つ。２人姉妹の長女で「おしゃべり好き」で社交的な一方、小学校時代は「ずっと本を読んでいた」とも。ハリーポッターや上橋菜穂子、ギリシャ神話などを読みふけった。中高は吹奏楽部でホルンを担当し、音楽教諭を目指し学芸大に進学。「悩みを聞き一緒に解決すること」にやりがいを感じていたが、教育実習で訪れた学校で音楽に拒否反応を示す生徒が気になった。「原因は」と突き詰めるため「音楽教育」をテーマに大学院へ進学を選択した。

　○…カフェ巡りが趣味。１人でふらっと訪れ、珈琲を飲む。こうした「ふとした」瞬間にアイディアが浮かぶそう。スマホのメモ帳に、このひらめきをすぐに書き留める。絵を描くことも好きで音楽祭では、チラシのデザインを手掛け、パンフレットの紙質までこだわりを見せた。

　○…さまざまなイベントに携わる中で「ホールのある街中が中心になりがちで、実は全体には届いてない」と感じた。自身が住む初沢町も同じ。「あっちで何かやっているよね」という声も聞かれた。来年実施予定の芸術祭は、各地域を舞台に展開できればと構想中だ。「身近な場所でアートを感じられるものになれば。乞うご期待です」