市内のフードバンクでは収入が減るなど経済的な理由で「食に不安を持つ」家庭に、食品を配送する取り組みを行なっている。この秋も2つの団体がそれぞれ実施。いずれも多くの応募が寄せられた。
ひとり親「生活厳しい」
フードバンクは企業などから寄贈された食品を、必要としている施設や団体、困窮世帯に無償で提供する活動(団体)のこと。「配送」の取り組みについては市内では中町にあるフードバンク八王子(以下八王子)と、横川町にあるフードバンク八王子えがお(以下えがお)がこれまで複数回、継続的に行っている。
八王子は10月の10日間で、「中学生以下の子どもがいる」家庭を対象に、希望者を募った。今回も「児童扶養手当、または就学援助を受給している家庭」を優先とした。
150枠に対し268世帯の応募があったそう。食品はすでに配送した。事務局では「過去2回より応募数は若干減りました。おそらく一部の困窮しているひとり親世帯が固定化している」とし、来年3月にも実施する予定。ただ、「私たちの力では150世帯が限界。一定の基準に従って絞らざるをえない」としている。
えがおは11月の10日間で募集をした。対象は中学生以下の子どもがいて就学援助または児童扶養手当を受けている、あるいは高校生の子どもがいて児童扶養手当を受けているひとり親家庭など。
応募は151世帯からあった。市が発行するひとり親世帯向けのメールマガジンを通じて広報していることもあり、申込の9割以上がひとり親世帯だったそう。
届いたメッセージには「コロナの影響で収入が減った」「失職した」などの記入が複数あり事務局は「緊急事態宣言が解除されても厳しい生活状況は変わっていないことがわかった」と話した。食品は12月に配送する。
なお配送食品はそれぞれ米やカップ麺、レトルト品など。奉仕団体による寄贈や協力団体による募金で購入したもの。
政府の統計データによると、日本のひとり親世帯の半数以上が「相対的貧困」の状態にあると言われている。取材の中で、2人の子どもを持つあるひとり親世帯の女性は「缶詰ひとつでも本当に助かります。『ほんのちょっと』もありがたいです」と実情を話した。
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