全国で高齢化が進む中、高齢者の移動手段は様々な地域の課題となっている。その解決手段になればと、ゴルフ用の電動カートを使った実証実験が北野台で行われている。
対象エリアは北野台1〜5丁目。実証実験の期間は11月11日から12月1日。実行主体は国土交通省国土技術政策総合研究所で内容は「郊外住宅団地における移動環境の向上に関する実験」。運営主体は北野台自治会と北野台5丁目自治会。
高齢化と坂道
今回、新たな移動手段として試されているのは7人乗りのゴルフ用電動カート。期間中、午前と午後に2便ずつ北野台の住宅街を巡る。停留所にはドラッグストアやクリニックモール、路線バスとの乗り継ぎ地点もある。「造成が始まって40年以上。当初の住民の中には高齢で免許を返納した人もいる。市内でも高齢化率はトップ10に入る」と話すのは北野台自治会の篠原由紀子会長。約1850世帯の暮らす自治会内の高低差は約40メートルと坂が多い。それが原因で外出がおっくうになる人も少なくないことから、地域内の交流は限定的になりがちだという。買い物にも不便さがつきまとう。
移動するコミュニティ
カートは観光地でも導入される車両だけに景色も楽しめる作りになっており「ゆっくり走る(時速20キロ未満)ので、自分の街の良さや課題が見つかる。街を知り、便利さを認識できる。乗っている人はみんな楽しそう」。乗り合った乗客同士が顔見知りでもないのに自然と会話を交わす様子など、従来のバスではあまり見られないような状況にもなる。「移動するコミュニティの場ですね」と篠原会長は移動手段についての課題解消が、交流の場創出につながることにも期待する。
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