ウクライナを音楽活動の拠点とし現在、山田町に暮らすピアニストの姉妹・嘉村えりかさん(30)とゆりえさん(27)の2人によるウクライナ支援コンサートが各地で行われている。八王子でも5月をめどに検討が進んでいる=中面に関連記事。
姉妹は2月24日に始まったロシアによるウクライナ侵攻から、これまでに3、4回の支援コンサートを実施している。
ドイツ国立エッセン音楽大・大学院を主席で卒業した姉のえりかさんと、東京藝術大学音楽学部を卒業した妹のゆりえさん。音楽の師に誘われ、2018年からキエフ(ウクライナ)の音楽院に通うかたわら、ピアニストとして活躍してきた。
2カ月のつもりが
コロナ禍によってウクライナでも演奏活動ができなくなり、帰国したのが20年の秋だった。「最初は2カ月でウクライナに戻る」つもりでいたが、コロナによる影響が長引き、そのような所にまた、ロシアによる侵攻が始まったために日本にいる状態が続いている。「今も住所はキエフのシェアハウスです。荷物もほとんど置きっぱなし」とえりかさん。
帰国後も、ウクライナ大使館と連携して記念事業などに参加してきた。これまでも2人で連弾をすることはあったが、帰国後は「カノンデュオシスターズ」として活動を展開している。
「情熱が強い」
姉妹は日本語講師としても現地の人たちと触れ合ってきた。「ウクライナの人たちは日本文化が大好きで、すごく親日なんです。特に日本の漫画やアニメは好まれていますね」とえりかさん。侵攻後も現地の友人とメールなどで連絡をとっている。「物資不足で困っているようです。スーパーは壊され、物資はロシア兵が持って行ってしまうようで」。有事を想定して造られた「大江戸線より深い」という地下鉄を多くのウクライナ人がシェルター代わりにして生活しているという。「ウクライナは歴史的に昔から、侵略を受けることが多かった国なんです」。そんな悲惨な歴史があるからこそ、独立(1991年)後は「自由な国を創ろう」という思いで、「国の危機は自分の危機という内に秘めた情熱が強い」と話す。
現在、自分たちにできることとしてチャリティーコンサートを精力的に行っている。4月の公演では売上を全額、キエフのNGOに寄付する。「多くの人に知ってもらい、ウクライナを応援していただければ」。
現在、市内でも医療関係者が中心になって5月にウクライナ支援のチャリティーコンサートを開催する構想がある。そこで演奏する予定だ。
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