「銀ランを盗掘した人へ 大切にお育て下さい。ようやく咲いた花です」--。元八王子町にある住宅地「ホーメストタウン八王子」内、梶原谷とちの木公園裏にある緑道に、こんなメッセージが掲げられている。発見したのは、同住宅地に住む奥原千年さん。今月17日朝、緑道を散歩しているときに気が付いたという。
奥原さんはギンランが咲いていたことに気が付かなかったという。「野草を持っていっちゃったのかな。ただ怒るのではなく諭すような言い方に感心した」とメッセージの作者に心を寄せる。
また、緑道を管理する八王子市によると、野草の持ち出しに対する「罰則などはない」という。
都の絶滅危惧種
ギンランは山地、丘陵地の明るい林下に生える多年草。東京都レッドリスト2020年版では、「絶滅危惧IB類」に指定されている。
長池公園園長の内野秀重さんは「ブナ科が中心の樹林地に見られ、市内でも確認できる」と話す。同園にもギンランは生息し、5月上旬に花を咲かせるという。
内野さんは「ギンランの生育には、ブナ科の根に付く菌類が深く関わる。庭や鉢植えでの栽培は難しく、何年も生きられない」と指摘。「きれいな花が咲くので、ほしくなるのかも。でも持ち帰ったりせず、自然のままま楽しんでほしい」と呼びかけた。
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